3月3日、米トランプ大統領はホワイトハウスでドイツのメルツ首相と会談した。トランプ氏は、イランの指導部が近く武器を放棄するとの見方を示すとともに、イラン国民の利益になる人物が指導者に就くことを望むと述べた。
メルツ氏の訪米は就任後3回目。アメリカとイスラエルがイランに対して空爆を実施し、イラン最高指導者ハメネイ師を殺害した後、ヨーロッパ首脳として初めてトランプ大統領と対面で会談した人物となった。
冒頭で、トランプ氏はまず米独関係について触れ、ドイツとアメリカには「深い歴史的関係」があると述べた。その後、話題を転じ、メルツ氏が今回の訪米でイラン問題を議題にしたい意向を示していると指摘した。
トランプ氏は、イランは現在、海軍や空軍が機能しておらず、空中偵察能力も失われ、レーダーは機能不全に陥り、装備も正常に作動していないと述べた。
トランプ氏は「(イランの軍事力は)ほぼ壊滅した」と語った。
また、米独間の貿易協定についても協議する予定だと付け加えた。
メルツ氏はイラン問題について、「イランの恐ろしい政権を覆すという点で、われわれは立場を同じくしている」と述べた。
トランプ氏「軍事的にイランを打ち負かした」
トランプ氏は、アメリカとイスラエルは軍事面でイランを「打ち負かした」と主張した。「われわれは軍事的に彼らを完全に打ち負かした。軍事面で見れば、彼らはいまだにいくつかのミサイルを発射している。しかし、いずれはそれすらできなくなるだろう。われわれは彼らの軍艦をすべて破壊しているからだ」と述べた。
さらに「われわれは彼らのミサイル備蓄もすべて破壊している。彼らはここ数年、ミサイルを大量に蓄積してきた。多くを保有し、多くを発射したが、われわれはその多くを破壊している」と付け加えた。
イスラエルがアメリカを参戦させたとの見方を否定
トランプ氏はまた、イスラエルがアメリカを対イラン戦争に引き込んだとの見方を否定した。
「われわれは当時、あの狂人たち(イラン当局)と交渉していた。私は彼らが先制攻撃を仕掛けると考えていた。われわれが行動を取らなければ、彼らが攻撃してきただろう。彼らは必ず先制攻撃をしていたはずだ。私はそう確信している」と述べた。
さらに「われわれには優れた交渉担当者がいる。交渉の進捗状況を見る限り、彼らは先制攻撃に出る可能性が高いと考えていた。私はそれを望まなかった。だから、もし(イスラエルが)影響を与えたと言うなら、むしろ私がイスラエルに行動を取るよう促した可能性がある」と語った。
「イスラエルは準備ができていたし、われわれも準備ができていた。そして非常に大きな成果を上げた。イランのほぼすべての防衛施設を破壊したからだ」とトランプ氏は付け加えた。
これに先立ち、ルビオ国務長官は3日、イスラエルがアメリカをイラン戦争に引き込んだとの認識を示していた。この発言が一部の「MAGA(米国を再び偉大に)」支持者の不満を招いていた。
イラン指導部は「近く武器を放棄する」
トランプ氏は、イランの指導部が近く武器を放棄するとの見方を示し、すでに免責を求めている人物もいると示唆した。
軍事行動初日に暗殺されたハメネイ師ら高官について「彼らは悪人だ。その首領はすでに死んでいる。最初の攻撃だけで49人を排除した」と語った。
さらに、4日の早い段階でイランは「かなり激しい」攻撃を受けたと述べた。報道によると、イラン国内では同日、新たな最高指導者を選出するための選挙が行われているという。
政権交代の可能性について問われると、トランプ氏は、アメリカが後継者として想定していた人物の多くがすでに死亡していると述べた。
トランプ氏は、ハメネイ師の後継者が「彼と同じくらい悪い人物」の可能性もあると認めつつ、イラン国民の利益をもたらす人物が指導者になることを望むと述べた。
「最悪のシナリオは、われわれがこの行動を取った結果、次の指導者が前任者と同じくらいひどい人物になることだ」と語った。
トランプ氏「イランは前回の抗議で3万5千人を殺害」
また、なぜアメリカの対イラン軍事行動が世界的に広い支持を得ているのかと問われると、トランプ氏は次のように答えた。
「彼ら(イラン現政権)は邪悪だ。それが彼らの理念のすべてだ。前回の大規模な抗議活動では、機関銃で武器を持たない民衆を掃射し、3万5千人を殺害した。これは邪悪なイデオロギーだ」
トランプ氏はさらに、イランへの軍事行動を決断したことについて「これほど多くの称賛を受けたことはなかった」と付け加えた。
また、アメリカのイラン系移民は今回の軍事行動に非常に満足しているとも語った。
「多くの人が『ありがとう、ありがとう、ありがとう』と言っている。ロサンゼルスの街でもそれを見ることができる」と述べた。
最近、ロサンゼルスのイラン系住民が多く暮らす地域では、ハメネイ師への攻撃を祝う集会が街頭で行われている。
「事実として、人々はわれわれの行動に満足している」
さらに、ロサンゼルスの集会では参加者がトランプ氏の写真を掲げ、感謝の意を示していたとも述べた。
原油高騰について
両首脳は油価の急騰についても質問を受けた。メルツ氏は、原油価格上昇は「当然ながら」経済に打撃を与えているとし、戦争ができるだけ早く終結することを望むと述べた。
一方、トランプ氏は「仮に一時的に油価が高止まりしても、戦争が終われば下がると確信している。しかも、これまで以上に低くなるだろう」と述べた。
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