海外メディアが相次ぎ張又俠を追及 国防部は会見の内容削除

2026/01/31
更新: 2026/01/31

中国共産党(中共)軍事委員会副主席の張又俠の拘束をめぐり、国際社会の関心が高まっている。中共国防部の定例記者会見では、海外メディアから関連する質問が相次いだが、報道官は曖昧な回答に始終し、これらの質疑応答は軍の公式サイトに掲載されていない。

1月29日、中共国防部は、張又俠の失脚が公式に発表されて以降、初となる定例記者会見を開いた。会見では30件余りの質問が出され、そのうち約10件が張又俠に関するものだった。質問は、現在2人のみとなった中央軍事委員会が次にいつ会合を開くのか、現役の上将は何人残っているのか、張又俠の失脚によって米中両軍の意思疎通に支障が生じていないか、中共の戦略配置や台湾政策に影響が及ぶのかなど、多岐にわたった。

こうした中共にとって答えにくい質問に対し、蔣斌(しょう・ひん)報道官はいずれも直接的な回答を避け、「提供できる情報はない」と述べるか、従来の決まり文句を繰り返すにとどまった。

会見後に中共国防部の中国語版公式サイトに掲載された記者会見の記録からは、張又俠の失脚や反腐敗に関する質疑応答が削除されていた。一方、英語版サイトには、29日の会見記録はいまも掲載されていない。

学者「中共は合理的な説明ができない」

台湾のシンクタンクの諮問委員である呉瑟致(ご・しつち)氏は大紀元に対し、国際メディアが張又俠の問題を繰り返し追及していることは、中共統治の矛盾を浮き彫りにしていると指摘した。体制の安定に不利とみなされる言論や憶測を抑え込もうとする一方で、過度に閉鎖的な対応が、かえって外部の関心や疑念を強めているという。この矛盾は中共にとって一層の負担になっていると述べた。

呉氏はまた、蔣斌の簡潔な回答ぶりは一見すると淡々としているが、実際には中共内部に広がる強い警戒感や張り詰めた空気を反映していると分析した。

シドニー工科大学の馮崇義准教授は、海外メディアの質問に対し、中共の報道官には自由に答えられる余地がほとんどないと指摘した。

その上で、「このことは中共にとって当然ながら極めて体裁が悪い。張又侠を拘束した手法は完全にマフィアの抗争そのものであり、内部で凄まじい潰し合いが起きている以上、世界に対して筋の通った説明などできるはずもない。だからこそ、海外メディアの質問に対して、彼らは回避し続けている」と述べた。

馮氏は、張又俠事件はいまだ完全に決着しておらず、習近平の指示で、当局が意図的に低調な姿勢を保っているとみている。これは、事態の拡大を防ぎ、局面を管理しようとする現在の対応の一つだという。

アメリカ在住の元中国企業家である胡力任氏も大紀元に対し、張又俠は突如として拘束され、党内に大きな動揺をもたらしたと語った。当局は国外に対して説明が難しいだけでなく、国内、さらには一般市民に対しても、この問題に正面から向き合うことが困難な状況にあると指摘した。

胡氏は、習近平が多くの将官を粛清してきたが、いわゆる「軍内腐敗」は実際には派閥闘争であり、「共産党の行動は外部に説明しにくいものが多い」と述べた。

分析 張又俠の拘束は中共統治の基盤を揺るがす

張又俠が突然失脚した理由をめぐっては、さまざまな見方が出ており、見解は定まっていない。

胡力任氏は、習近平が張又俠の拘束に踏み切ったのは、張又俠が軍内で極めて高い威信を持ち、かつ習近平に関する多くの内情を把握していたためだと述べた。これは、習近平が自身の権力基盤を固めようとする上で重大な脅威だったという。

呉瑟致氏は、張又俠の拘束は、習近平が権力の維持を図る動きであり、2027年に予定される第21回党大会を見据えた全体的な権力構造の配置とも関係しているとの見方を示した。

これに先立ち、軍機関紙の社説は、張又俠が「軍事委員会主席の責任制度を著しく踏みにじり、破壊した」と批判しており、外部ではこれが「反習」に関与したことを示唆するものと受け止められている。

多くの専門家は、習近平が張又俠を拘束したことで、中共の統治基盤そのものが揺らいだとみている。

馮崇義氏は、習近平派の内紛で、相互の信頼は完全に崩れ、誰もが強い危機感を抱いていると指摘した。

「これは現実的な危機だ。これほど多くの上将が失脚し、もはや起用できる人材などいない。多くの人は昇進を望んですらおらず、出世はむしろ失脚への近道、すなわち危うい道と見なされている。習近平の統治基盤が揺らいでいることは、もはや疑いようがない」

呉瑟致氏は、習自身が深刻な不安感を抱えていると分析する。軍内部には張又俠の拘束に反発する声もあり、反習近平の勢力が動く可能性は常に存在する。習近平を取り巻く情勢は、今後さらに複雑さと厳しさを増していくとの見方を示した。

新唐人