24時間営業のマクドナルドが、中国・上海では本来の「食事の場」とは違う様相を呈している。
夜はソファ席で眠る人々、昼はカードゲームに興じる高齢者たち。安らぎを求める人々が集まる一方で、普通の客は落ち着けず、隅に追いやられている。
上海市内のマクドナルド四平路店では、夜になるとソファ席に横たわり、靴を脱いで眠るホームレスと思われる人たちの姿が見られる。店内には強い臭気が漂い、一般の客は落ち着いて食事ができず、隅に座るしかない状況だ。

店側は警察に相談したものの、「強制的に追い出せない」と突き返され、従業員が注意し続けるしかないのが現状となっている。清掃や消毒は行っているが、根本的な解決には至っていない。この光景は中国のSNSでもトレンド入りするほど話題となった。
昼間になると別の問題が現れる。高齢者が集まり、注文もせずにテーブルを占拠してカードゲームに興じるのだ。ある店舗では5つのテーブルがふさがれ、子連れの客が騒音に耐えられず退店することもあった。店長は「繰り返し注意しても効果がない。事実上、老人クラブのようになっている」と語る。
ハンバーガーを食べるための店が、いつの間にか眠る人や遊ぶ人の居場所になっていた。そこに漂う空気は重いが、それがいまの上海の日常である。

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