鈴木馨祐法相は29日、外国人の受け入れに関する私的勉強会の中間報告書を公表した。総人口に占める外国人比率が10%台となる場合を想定し、政策を検討する必要があると明記した。
鈴木法相は29日の記者会見で、「諸外国では(外国人の受け入れを巡り)社会の分断や政治的混乱につながっているケースが多々ある」と指摘し、「受け入れのあり方を早い段階で検討する必要がある」と語った。
また、出入国在留管理庁内にプロジェクトチーム(PT)を設置し、中長期的な観点から外国人の受け入れ上限数を設定する是非を含めて検討を行う。
具体的には、経済成長や治安、労働政策、税・社会保障などの観点から検討を行うとしている。
国立社会保障・人口問題研究所が2023年に発表した「日本の将来推計人口」によると、外国人比率が2070年に総人比の10%を超すとの推計しており、総人口が8700万人に減り、外国人が939万人に達するとしている。現在の外国人の比率は、3%未満である。
少子高齢化や在留外国人の増加率から見ると、外国人比率が10%台に到達する時期が早まる可能性がある。
国民民主党の玉木雄一郎代表もX(旧Twitter)で反応。「分野別、国別の外国人の受け入れ上限人数の設定や、国内労働者の賃金への影響などをしっかり議論してもらいたい」と、政府に求めた。
また、「国民民主党党内での検討も加速したい」とも語った。
インドから高度人材や介護分野の人材 5万人を受け入れ
石破首相は29日にインドのモディ首相との首脳会談で、今後5年間でインドから高度人材や介護分野の人材を5万人受け入れることなどで合意する見通しである。
林芳正官房長官は29日の記者会見で、日印の人材交流の拡大方針がSNS上で「移民の受け入れ政策」と批判されていることについて、「インド国籍者に対して入国要件や基準を緩和したり、特別な枠を設定したりすることは想定していない」と強調。「指摘の懸念はあたらない」とした。
「人材の受け入れは日本経済の活性化を図るため、現行の出入国在留管理制度や外国人受け入れ制度の下で行う」とも語っている。
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