ドラえもん役で26年 声優の大山のぶ代さんが死去

2024/10/11
更新: 2024/10/11

人気アニメ「ドラえもん」の声で知られる声優で俳優の大山のぶ代さんが、老衰のため先月死去していたことがわかった。複数のメディアが報じた。90歳だった。

大山のぶ代さんは東京生まれ。1960年代くらいから、声優として活躍し始め、初代のサザエさんの磯野カツオ役や「国松さまのお通りだい(1971〜72年)」の石田 国松役や無敵超人ザンボット3(1977 〜78年)の神勝平役など、活発な男の子の声を担当し、独特の声で老若男女問わず、日本中の人々を楽しませた。

特に1979~2005年約26年間担当した「ドラえもん」の声は多くの中高年にとって印象に残っているであろう。

これほどの長期の人気番組であったが、最初は大山さんも不安があった。声優グランプリの取材によると、原作ではドラえもんの一人称は「おれ」だったことに疑問を感じた大山さん。

ドラえもんはいつでも、のび太を見守っているお母さんのような存在だし、未来から来た子守り用ねこ型ロボットだから乱暴な言葉は最初からインプットされていないと思い、実際の収録では、のび太に対して「こんにちは、ぼくドラえもんです」と自己紹介をしてしまった。

さすがに原作者のセリフを勝手に変えて怒られるかもと心配した大山さんは、初めて原作者の藤子・F・不二雄氏に会ったとき、大山さんは「ドラえもんの声、いかがでしょうか?」って恐る恐る聞いてみたという。すると、藤子・F・不二雄氏は「第1話を見ましたが、ドラえもんってああいう声をしていたんですね」と温かい言葉を受け、本当にうれしかったと述べている。

ドラえもん役だった大山のぶ代さんをはじめ、のび太役の小原乃梨子さん、しずかちゃん役の野村道子さん、ジャイアン役のたてかべ和也さん、スネ夫さん役の肝付兼太さんは26年間ずっと同じメンバーでお茶の間を楽しませ続けた。