7月22日夜、中国鄭州市で起きた集中豪雨により、市内の広範囲が水浸しとなり、多数の住民が困難な状況に追い込まれた。感電による死亡者も出るなど、市民の間ではこの災害が3年前に3千万人を超える被害を出した2021年河南洪水と同様の規模だとの声が高まっている。河南省新郷市や山東省青島市を含む他地域からも災害の報告が届いている。
22日夜、鄭州市は豪雨に見舞われ、市内の多くのエリアが冠水した。ネット上では、「数百億元をかけて整備した金水河が、数時間で大きな被害を受け、鄭州の都市インフラの脆弱性が露呈した。数百億元を投じた洪水対策も、豪雨の前には1時間も持たない。被害を受けたのは市民だ」とのコメントが散見される。
鄭州の会社オーナー、楊さんによれば、彼の店舗を含む多くの一階にある店舗が冠水し、甚大な損害を被ったという。
楊さんは次のように語った。
「午後8時から1時間降り続いた雨で、私の店は冠水した。私の身長は180センチだが、水の高さは首から耳の間にまで達した。この水位は2021年に起きた7月20日の洪水と同じ高さで、10日前にも同じくらい店が浸水した。損害は甚大で、50万元(約1062万円)から60万元(約1274万円)の損失を被った。ただ見ているしかなく、店内に水が流れ込むのを目撃した。水没した車の数が多く、家族が昨年購入したばかりの4台の車もすべて水没した」
その夜、公共バスの運行は停止し、高架橋も封鎖された。橋の下のトンネルでは、水が3メートルの深さにまで達していた。市内の道路が冠水したため、多くの市民が移動できずに立ち往生していた。
鄭州の李さんは、深夜に水が引いた後、ようやく自動車で帰宅することができたが、道路の封鎖や交通の混雑のため、大幅に迂回する必要があった。
「雨が降ると、いつも街が冠水する。本当はすぐに家に帰りたかったが、雨宿りをしながら安全を最優先に考えていた。大雨による感電事故が発生し、救助活動も行えない状況だったため、水没した道を進むことはできなかった。街灯も消え、交通渋滞が発生していたため、通行することもできなかった」
22日の夜には、河南省新郷市をはじめとする地域で災害が起こった。南陽市や周口市の低地では、23日になっても水が引いていない状況だ。
新郷市に住む王さんは次のように語る。
「河南省全域が冠水している。午後7時19分に水位が急激に上昇し、わずか13分で約1.7メートルも上昇した。どの道も冠水し、交通は完全に停止している。先月は干ばつに見舞われ、今月は連続する水害に悩まされている。雨が降るたびに冠水し、私たちの農作物も大きな被害を受けている。農民にとっての打撃は非常に大きい」
また周口市の于さんは次のように語っている。
「低地の水はまだ引いておらず、作物は水害で、壊滅的な打撃を受けた。市内では排水が追いつかず、一階の店舗にも多くの水が侵入し、大きな損害が発生している」
また、山東省の青島市を含む地域で豪雨による災害が発生した。23日の朝、青島市民からは、約5時間にわたって降り続いた雨により、道路の水が引かないとの報告があった。
青島市に住む李さんは次のように語る。
「水が引かない。下水道が機能停止してしまい、路上に駐車していた乗用車が水没している。ほとんど動けなくなっており、隣に停めてあったシルバー色の車は水面に浮かんでしまっている。そこを通った車が一台、水流に押し流されてしまった。現在、通行可能な道路は間違いなく渋滞しているだろう」
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