今月20日、中国・山東省済南市で行われたアニメイベントに参加した和服姿の女性が警備員によって会場から追い出される「事件」が起きた。
追い出された女性がその時身に着けていたのは、日本の人気作品「鬼滅の刃」の登場キャラクター・竈門禰豆子のコスプレ衣装だ。
SNSに流れているその時の様子を撮影した映像では、警備員とコスプレ女性が言い争っている。
「ここで和服を着ちゃダメだ、ここは中国だ!」「出ていってくれ、そういう規則だから」と言う警備員に対し、禰豆子のコスプレをした女性は「どこにそんな決まりがあるのか」などと反論した。
最終的には警備員は無線機で仲間を呼びつけ、無理やり女性を会場外へ追い出した。
この動画を中国のSNS・微博(ウェイボー)に投稿したユーザーは、「何を着ようがその人の自由だろう、中国共産党(中共)統治下の中国では言論の自由がないばかりか、自分の着る服を決める自由すらないのか!」と今の厳し過ぎる環境に怒りを覚える人も少なくない。
今回の「和服禁止事件」に先立ち、湖南省長沙市で先日行われたアニメイベントでも、「和服コスプレ」の来場者が入場を拒否されるトラブルが発生している。
(中国のアニメイベント会場から追い出された「和服姿」の女性)
憎悪教育
今回の山東省のアニメイベントで和服姿の女性が追い出される事件について、時事評論家の李沐陽氏はエポックタイムズ・ジャパンの取材に対し、次のように評した。
「和服を着た女性が追い出される事態は、中共による憎悪教育の結果である。中共は長い間、日本を誹謗中傷し、日本を恨むよう国民を洗脳してきた。その結果、中国人はことあるごとに日本に反発し、憎悪する、彼らはそうすることによって自分たちの愛国心を示している」
「先月、江蘇省蘇州市で起きた『日本人学校バス襲撃事件』も含め、仇日教育がもたらすトラブル(事例)はあまりにも多い。つい先日も、ある景勝地で日本のスカーフをした女性が男に殴り倒されたことがあった」
「この件で浮き彫りになったように、中国人には自由がない。中共の憎悪教育の下で多くの中国人は義和団(清朝末期の外国人排斥運動に)になった。中国に生きる人は、周りの義和団からも身を守らなければならない。先日の『日本人学校バス襲撃事件』では日本人を助けた中国人女性が死亡するなど、下手をすると、周りから『懲らしめ』られ、命を落としかねない。
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