「マイナス成長では?」ダボス会議で李強首相の「経済成長率5.2%発言」に国際的な疑念

2024/01/26
更新: 2024/01/26

2023年、中国の経済は多くの問題に直面した。財政赤字の大幅な増加、不動産開発業者の破綻、金融機関の倒産、輸出の大幅な減少などがあった。

これらの問題は一般市民の生活にも大きな影響を及ぼし、住宅価格の下落、失業率の上昇などが発生し、「消費のダウングレード(格下げ)・低欲望社会」、需要の弱体化が進んだ。

さらに、経済全体の状況は改善の兆しを見せておらず、大きな問題が今後も続出する可能性が高い。

しかし最近、ダボス会議で中国共産党(中共)の、李強首相は2023年の中国の経済成長率が5.2%に達し、政府の5%の目標を上回ったと発表した。

このGDPのデータには大きな議論があり、多くの人々がこの数字を疑問視している。実際、一部の人々は、中国の経済が昨年実際にはマイナス成長であったと考えている。 

中国の昨年のGDPは実際にはマイナス成長

米国在住のメディア関係者、蔡慎坤氏は新唐人テレビの番組『菁英論壇』で、中共が昨年のGDP成長率を5.2%と発表したことが、国際的な驚きを呼び、国内の財経学者や企業家も、この数字が信じられないと感じていると述べた。

現在の中共統計局は、もはや客観的な統計の権威を失い、権威あるデータとして扱われることはなく、いわゆる社会の安定を維持し、中共中央が提唱する「中国経済に対する明るい論調」を支えるようになっている。

そして、中共は何度も経済データが政権の安定や国民の心の安定に関わると強調しており、あらゆる経済データは中共中央の大局に従う必要がある。

5.2%は党中央によって決定されたデータであり、統計部門はこのようなデータを提供することに協力している。このデータが検証に耐えられるかどうかは、統計局が考慮する範囲外である。

蔡慎坤氏は、中国経済に関する問題を研究しているほぼすべての専門家が、昨年の中国経済が基本的に成長しておらず、実際には縮小しているという結論に至っていると指摘する。

実際には、李強首相はこんな時期に中国に外国資本の継続的な流入を奨励しようとしている。彼は自己欺瞞に陥っており、外部から、また基本的な常識を持つ人々から中国の経済成長データを認めさせることは不可能だろう。

中国経済を牽引するとされる三つの要素、すなわち第一に投資、第二に輸出、第三に国内消費について考えてみよう。

投資に目を向ければ、昨年の中国全体の固定資産投資は前年比で10%以上減少し、数十年にわたり見ることのなかった珍しい下落となった。現在、投資するプロジェクトがなく、投資する資金もない状況である。

外国からの投資についても見てみれば、中国は過去において常に世界で最も外国からの投資を引き付けてきたが、2021年、世界経済が特に生産企業で麻痺していた最悪の時期に、中国の工場は残業を重ねて高速で稼働していた。その年の外国からの投資は歴史的なピークに達し、3千億ドル(約44兆2959億円)以上に上った。

しかし、翌2022年、世界経済が若干回復すると、中国への投資は1800億ドル(約26兆5918億円)に急減した。そして2023年には、この数字は直線的に下落し、わずか150億ドル(約2兆2143億円)にまで落ち込んだ。

中国の国内資本と外国資本は両方とも大きく落ち込み、特に外国資本の減少は著しいものである。中共はGDPが成長していると言うが、その成長はどのような根拠によるものなのだろうか?

次に、中国の輸出に関する考察である。正常なデータに基づけば、去年の中国の輸出は一年を通じて減少傾向にあり、成長は見られなかった。

さらに、国内消費の問題がある。昨年、若者の失業率が20数パーセントに達した後、失業率の公表は突然中止された。そして今年の1月、中国政府は失業率の公表を再開した。

失業率の統計の母数から6千万の大学生を除外した後、若者の失業率は14.9%に下がったと報じられた。しかし、中国の実情を知る人々は、中国国内の若者の失業率が実際には約50%、つまりほぼ半数が失業状態にあると考えている。

このように深刻な経済状況の中、李強首相はダボス会議で高らかに語り、自慢話をした。中国共産党の首相が中国の現在の経済状況や実際のデータを理解せず、目を閉じて自慢話をしているとき、次に来るのは災害だろうと蔡慎坤氏は語る。2024年の中国経済は、去年よりも大きな困難と危険に直面するだろう。

(続く)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
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