10月27日午後6時半ごろ(現地時間)、広東省深センにある「中国版ディズニーランド」とも呼ばれている歴史あるテーマパーク「ハッピーバレー(歓楽谷)」で、ジェットコースターの追突事故が起きた。
事故の負傷者を受け入れていた病院の救急診療は対応に追われ、一時、一般外来の診療を停止する事態に陥った。ネット情報では「事故現場は悲惨で、死者も出ている」という。
公式発表では「負傷者は8人」という。しかし、事故現場や病院での惨状などからして「信じられない。当局が(事故のひどさを)隠蔽している」といった疑いの声がつよい。
事故現場を目撃したという多くのネットユーザーは、「(前方の)ジェットコースターの乗客が、降車のためシートベルトを外す作業を行っていた。そこへ後続のジェットコースターが激しく追突し、多数の負傷者が出た」と主張している。
この事故の負傷者が運び込まれた「香港大学深圳医院」では、救急診療の受付に「ジェットコースターの追突事故により、多数の人を応急処置中。そのため(他の診療には)4時間以上の待ち時間が発生している」ことを知らせるパネルが置かれていた。
また、同病院を訪れた市民は、「病院内では、頭から大量に出血していた人、手足が異様に変形した人、首を固定されている人を見た。なかには(死亡したとみられる)白い布で覆われた人もいた」と明かしている。
事故の原因については、まだ明らかになっていない。
目撃者のなかには「乗客を降ろしているジェットコースターが、後方から走ってくる別のジェットコースターに追突された」という人もいれば、「前方のジェットコースターが推進力不足だったため、進行方向にある高所の頂上まで登りきれず斜面を後ろに滑り落ちた。そのため、後方で乗客を降ろしていた別のジェットコースターにぶつかった」と、異なる主張をする人もいる。
事故のあった日、現地の官製メディアが伝えたテーマパークの発表によると「負傷したのは8人。いずれも命に別状はない」という。現在、関連するジェットコースターは運行を停止しており「全面的に検査が行われている」としている。
このように、公式発表と現場の目撃証言には「明らかな食い違い」が見られ、事故の真相はまだ闇の中にある。
そのほか「ハッピーバレーの設備は、老朽化がかなり進んでいた。しかし、真剣に点検や修理がされたことはない。大事故が起きるのは、時間の問題だったろう」と話す地元民もいる。
また「事故の前日に、そのジェットコースターに乗った」というネットユーザーもいる。そのユーザーは「その日にも、ジェットコースターが斜面を登り切れずに逆走する事故が起きていた。テーマパーク側は数時間のメンテナンスを経てから、アトラクションを再開した。私もそれに乗った。まさか次の日に、あんな大事故が起きるとは思わなかった」と語る。
一部の中国メディアによると、このテーマパークでは「2018年にも同様の追突事故を起こしている」という。
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