ノーベル賞受賞者が気候変動ナラティブに反論 「質の悪い科学だ」(2)

2023/10/12
更新: 2023/10/12

 

「非常に不誠実な偽情報」

ノーベル賞受賞者のジョン・クラウザー氏は「人為的な気候変動への対策が多くの政治的議題を形成し、国の戦略の方向性に影響を与えている」と述べた。

「全世界で見られる現象であり、多くの圧力はヨーロッパや色々な世界会議からきている。その多くは、不正確な科学の上に作られたアル・ゴアの『不都合な真実』にルーツがある」と推測している。

『不都合な真実』は、「悲惨な気候危機を引き起こしているのは人類であり、世界的な行動が必要だ」と主張している。 

しかし、クラウザー氏は「気候変動は、多くの政治家によって取り上げられている不誠実な偽情報である」と語る。

彼は「特に『地球温暖化』が『気候変動』として再ブランド化された時期に、ジェーン・ルブチェンコ氏とトーマス・カール氏による2013年の『Physics Today』の記事が、ナラティブを形成する上で極めて重要になった」と指摘した。

その理由は、温暖化だけでは説明がつかないからで、この記事は、2012年までの30年間で、人為的な気候変動によって異常気象が大幅に増加したと主張する、米国気候異常指数を提唱した。

この指数は、米国海洋大気庁(NOAA)の1世紀分のデータに裏打ちされており、洪水、ハリケーン、干ばつなどのさまざまな指標を組み合わせたものとされている。

不思議なことに、クラウザー氏は、この指標にはEF3(重大な被害)以上の竜巻の発生頻度が除外されていると指摘した。おそらく、オバマ元大統領の科学顧問であったスティーブ・クーニン氏が著書「Unsettled: What Climate Science Tell Us, What It Don’t Not, Why It Matters」で強調したように、EF3以上の竜巻は顕著に減少しているからだろう。

「私の意見では、これはNOAAによる米国政府に対するかなりひどい背信行為だ」

クラウザー氏は「あなたは本当に、どの筋書きが正しいかわかっていて、何兆ドルも賭ける気があるのか?… (異常気象は)本当に増えているのだろうか?それは明らかに違う」と述べた。

「CO2やメタンの心配も、地球温暖化の心配も、すべてショック・ジャーナリストや不誠実な政治家によるでっち上げだ」

彼は、CO2は有益なガスであると主張するCO2連合に同意さえしているという。

「歴史上、例えば恐竜が地球を闊歩していた頃のCO2濃度は、現在の10倍だった。今のような低いCO2レベルでは、恐竜は地球上で生き延びることはできなかっただろう。この濃度では、恐竜の餌となる木々や葉を十分に早く育てることができないからだ」

「私の知る限り、CO2が有益なガスであると宣伝することには何の問題もない。さらに、地球の気候をコントロールする上で、CO2はまったく重要な要素ではない」

彼は「CO2やメタンを削減しようとするアメリカ政府の努力は、人道的な努力に割くべき資源を、とんでもなく誤って使用している。このような取り組みは、直ちに中止すべきだ」と批判した。

「お金と時間と労力の無駄遣いだ。業界の首を絞め殺している」と彼は言った。

しかし、クラウザー氏は期待してはいない。

「ここでの私の発言はまったく無視されるのではないかという疑念を持っている。人々は、この規模の大きな間違いを犯したと言われたくないから」とクラウザー氏は語った。

(完)

この記事で述べられている見解は著者の意見であり、必ずしも大紀元の見解を反映するものではありません。
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