推奨ワクチンを全て接種した人はコロナ感染しやすい=研究結果(1)

2023/06/21
更新: 2023/06/22

新しい研究によると、最新のコロナワクチンを接種している人は感染する可能性が高いとされている。

オハイオ州のクリーブランド・クリニックの研究者たちは、2価ワクチンを接種したワクチン接種者は、未接種者(従来のワクチン接種済みと未接種の両方を含む)と比較して、感染リスクが高いことを明らかにした。この高いリスクは、年齢や勤務地などの要因を調整した後でも維持された。

ナビン・シュレスタ博士と他の研究者は、「この研究は、ワクチンの有効性が時間とともに低下し、ワクチンの開発に使用されたものとは異なる新たな変異株が出現する場合、ワクチンによる保護を期待することの難しさを示している」と述べた。

1月に米国でオミクロン XBB変異株が優勢になったが、モデルナとファイザーの2価ワクチンは、BA.4とBA.5、そして旧武漢株をターゲットにしている。

この研究は、査読に先立ち6月12日にmedRxivサーバー(pdf)に掲載された。

研究はクリーブランド・クリニックの従業員4万8344人を対象としており、その47%に以前に感染の痕跡があった。最初に2価ワクチンが利用可能になった2022年の秋に雇用され、XBB株とその系列が優勢になった時点でも在籍していた従業員のみ含まれている。調査対象は1月29日~5月10日まで、年齢と性別が不明な人は除外された。

研究者たちは、感染した従業員のうちワクチン未接種の人数を計算していなかったため、ワクチンの有効性を推定できなかったと、シュレスタ氏は電子メールでエポックタイムズに語った。ほとんどの従業員、87パーセントは、少なくとも1回のワクチン接種を受けていた。

クリーブランド・クリニックは、コロナパンデミックの間、従業員に検査と予防接種を提供してきた。この医療非営利団体は、規制当局の認可を受け、米国疾病管理予防センター(CDC)が事実上すべての被接種者に推奨した直後の2022年9月12日に、2価ワクチンの接種を開始した。

 

「最新の状態」

CDCは「最新」(up to date)を全ての推奨ワクチン接種を受けたことと定義している。

2023年4月の時点で、5歳以上の児童が「最新」状態であるとは、2価ワクチンを1回接種したことを意味している。一方、生後6カ月から4歳の子供にとっては、モデルナ製ワクチンを2回、またはファイザー製ワクチンを3回接種することを意味する。

最新のアップデートは、当局が古いワクチンを、以前は追加免疫としてのみ利用可能だった2価ワクチンに置き換えたことを受けて行われた。

2価ワクチンは臨床試験データがないまま承認され、現在も臨床試験による有効性の推定値がなく、2価ワクチンのデータ不足が背景にある。

クリーブランド・クリニックの研究者たちは、「最新」の定義に該当する人々が、該当しない人々よりもよりよく保護を受けているかどうかを確認したいと考えた。研究者らは以前の接種回数が多ければ多いほど感染する可能性が高まることを発見した。

「最新」であることが予防効果につながらないという結果は、2価ワクチンがXBB系統に有効でないことに起因する、と研究者は述べている。

もう一つの理由は、CDCがワクチン接種ガイダンスにおいて、自然免疫と呼ばれる過去の感染から得られる防御を正式に認めていないためだという。

重要な点は、「最新」でない人がオミクロン亜型のBA.4、BA.5、BQに感染し、それがXBBに対するよりよい防御に役立ったことであると研究者は指摘している。

新型コロナ感染がワクチン接種よりも強固な予防効果を発揮することは、現在ではよく知られている」と、研究者らは、自分たちの研究を含む3つの研究を紹介している。

「したがって、XBB系統が優勢な状況下、CDCの定義に従った「最新」の状態でないことは、「最新」状態よりも、BA.4/BA.5またはBQ系統の先行感染リスクが高くなり、したがってCOVID-19のリスクが低いことと関連していたことは驚くべきことではない」。

本研究の強みは、大規模なサンプルサイズと、ワクチン接種からの日付や陽性検査からの日付など、さまざまな方法でデータを調査できることにある。研究の制限としては、無症状感染と症状のある感染を区別できないこと、および研究対象の重症疾患の数が少ないため、重症化に対する防御を評価できないことが挙げられる。

 

 

 

メリーランド州に拠点を置く大紀元のシニアリポーター。主に米国と世界のニュースを担当。