米CNN、会長兼CEOが退任 トランプ氏出演番組擁護で批判

2023/06/09
更新: 2023/06/09

米メディア大手ワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)は7日、傘下にあるCNNのクリス・リヒト会長兼最高経営責任者(CEO)の退任を発表した。

CNNの報道によれば、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのデイビット・ザスラフCEOがオンライン編集会議の冒頭で「クリスと会った。彼はCNNを去る」と社員に告げたという。また、後任については社内外で広範に探している最中だとした上で「しばらく時間がかかる」と伝えた。暫定的な人事として、3人の役員チームが同社を率いることになる。

他局の番組作りで実績を残したリヒト氏は、昨年5月に辞任したジェフ・ザッカー氏の後任として就任したばかり。一年余りでの退任となった。

退任の理由の一つとして、リヒト氏がトランプ前大統領を招いた番組を擁護したことが指摘されている。同氏は「トランプ支持者の声も届けることが重要だ。国内の有権者の約半数を占めている」と保守層にも視聴者層を広げることを試みていたが、一部社員などから批判に晒されていた。

また、2021年のトランプ大統領の退任をきっかけに、CNNは視聴率の下落に苦しんでいる。米ニールセン社の視聴測定によれば、1月の1週間の視聴者数が45万人を下回るなど、過去9年間の最低水準を記録した。ここ最近で高視聴率を記録したのは、トランプ氏が出演した番組だけだった。

ニューヨークを拠点とするエポック タイムズの速報記者。