自民党政調会長の萩生田光一氏事務所はSNS上での誹謗中傷行為に対して、厳正に対処するとの立場を明らかにした。自民党本部は対象行為を行った女性側に警告を送っているという。女性側は「言論弾圧」だと反論している。
萩生田氏事務所は5日発表の声明で、女性側が「変態トイレ推進男」等の事実無根の文章を記載したチラシを作成し、SNSで「A4で印刷して、配って下さい」などと不特定多数の者にチラシ配布を促したと指摘。これに応じて駅周辺での配布や、市内のマンションや住居への無許可のポスティング等が行われ、クレーム・相談が事務所に複数寄せられたという。
自民党本部も問題を認知し女性に警告を行った。これに対して女性はSNSで「自民党からの言論弾圧」を受けているとし、訴訟の可能性を示唆した。女性はかねてLGBT法案の差別禁止条項に反対する姿勢を示しており、萩生田氏に政策調整の責任を追求していた。
萩生田事務所は、政治への批判的意見は受け止めていくものの「根拠のない批判や度を越えた名誉毀損には党本部と連携し厳正に対処していく」と明言した。
最近SNS上での誹謗中傷に政治家が法的措置をとることについての是非が話題に上っている。
5月中旬、英利アリフィヤ衆議院議員が選挙期間中に向けられた「ヘイト、誹謗中傷、暴言などの言葉の暴力」の存在をあげ、問題ある言葉に「スペースを一切与えないことが重要だとの判断に至った」とし法的措置も検討するとした。
政治家は嫌がらせや人権侵害といったハラスメントを受ける可能性の高い職業とされる。一般社団法人ポリライオンが200人(現職195人、元職5人)を対象に行った調査によれば全政治家の94%がハラスメントを経験していることがわかった。団体や官庁や政党に対して対策強化を求めている。
インターネットやSNS上での誹謗中傷が増加する中、昨年7月に刑法が改正され、侮辱罪が厳罰化された。改正後の法定刑では「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、1年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留がある」と定められた。
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