米議員、「納税者のお金は渡さない」法案を発表 中国企業への助成金禁じる

2023/05/26
更新: 2023/05/26

米国の税金が中国共産党と関係のある企業に渡ることを禁止する法案をジョン・ジェームズ下院議員は発表した。背景には、ミシガン州で進む米国の補助金が注がれる中国大手EV用バッテリー会社の工場建設計画がある。

「米税金を中国共産党に渡さない法案(No American Tax Dollars to CCP Act)」は、国家が支援する中国企業への税金による資金提供や、「懸念する外国企業」とのジョイントベンチャーやパートナーシップを禁じる。対象国には中国のほか、ロシア、北朝鮮、イランが含まれる。

ジェームズ氏は、エポックタイムズの姉妹メディア「新唐人」の取材に対し「中国共産党への忠誠を宣言する中国企業に勤勉な納税者のお金が渡ることを防ぐ必要がある」と力説した。

その一例として、ミシガン州でのインフラ改善計画を挙げた。ミシガン州上院委員会は4月、このプロジェクトの施設建設を担う中国の大手EV用バッテリー開発製造の国軒高科(ゴーションハイテク)の子会社ゴーション(Gotion)に1億7500万ドルの州費を支出することを承認した。

この承認について「中国共産党が経済的な恩恵を受けるのみならず、軍事力を高め、米企業のスパイ活動を行い、中国共産党に報告する事務局を設置することを可能にする」と指摘。米国の税金が中国共産党を潤すために使われるべきではないと訴えた。

この計画はミシガン州クロフォード群にある州国民警備隊の訓練センターであるキャンプ・グレイリングからわずか100マイルの地点にあり、国家安全保障上の懸念も指摘されている。

「中国共産党は米国の隙を見つけて、喜んで飛び込んでくる…だから、我々は米国の納税者が一生懸命働いて得たお金が、あちらの手に渡らないようにしなければならない」と付け加えた。

こうした助成金が中国企業に渡ることにマルコ・ルビオ上院議員も危機感を示している。同氏は、米自動車大手フォード・モーターが中国の寧徳時代新能源科技(CATL)と提携してミシガン州に電池製造工場を建設する計画は「中国共産党への依存を深めるだけ」だと、両社の契約を審査するようイエレン米財務長官などに書簡を送った。

世界大手の電池メーカーCATLは技術支援を提供することで、インフレ抑制法(IRA)に基づく補助金を得ることが可能になる。

Hannah Ng
ニューヨークを拠点とするリポーター。NTDの番組「チャイナ・イン・フォーカス」の司会を務める。