豪州、「中国通」のビジネスマンをスパイ容疑で逮捕 原潜関係の情報提供か

2023/04/18
更新: 2023/04/18

豪州の司法当局は15日、中国の情報機関に原子力潜水艦などに関する機密資料を提供し報酬を受領したとして、オーストラリア人の実業家アレクサンダー・サーゴ(Alexander Csergo)氏を「反スパイ法」違反の容疑で逮捕した。同氏は17日に保釈を申請したが、却下された。

現地メディアの報道によると、サーゴ容疑者は上海に滞在していた間、「ケン」と「エヴリン」と名乗る2人の中国国家安全部所属の情報工作員からオーストラリアの安全保障にかかわる情報を提供するよう持ち掛けられた。2021年2月頃から、「現金がぎっしり詰まった封筒」を受け取るかわりに、オーストラリアの国防や経済などに関する重要情報を集めて渡していた。

豪州の検察当局によると、サーゴ容疑者が渡した情報のなかには、米英豪からなる安全保障枠組み「AUKUS(オーカス)」における原子力潜水艦の配備計画や、オーストラリアにおける金属鉱石の採掘に関する内容が含まれていた。

サーゴ容疑者は20年以上中国に滞在し、上海などでビジネスを行なっていたが、14日に豪州へ帰国したところを連邦警察に拘束された。その際、手元には「クライアント」からの注文リストがあったという。裁判所は、サーゴ容疑者が逃亡する可能性が高いとして、保釈申請を却下した。

オーストラリアでは2018年に「反スパイ法」が制定された。有罪となれば最高15年の禁錮刑を宣告される。サーゴ容疑者は同法制定後に起訴された2人目のオーストラリア国民となった。

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
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