米国のトム・コットン上院議員は30日、中国が米国の土地を所有することを禁止する法案を発表した。国家安全保障上のリスクと見なされた場合、所有者に売却を義務付ける内容が含まれる。コットン氏はスパイ活動を続ける中国に「1インチの土地も譲らない」と強調した。
法案は、中国共産党の党員やその代理を務める個人または団体、中国国民を対象に土地購入を禁じる。農業外国人投資開示法(AFIDA)に基づく外国人所有権の報告を怠った場合、土地の公正市場価格の最低10%の罰金を科すとしている。
コットン氏はエポックタイムズの取材に対して「何十年もの間、中国共産党は米国の農地や不動産を食い物にしてきた」と指摘。これらの買収された土地は「米国の企業や軍事基地に対する中国のスパイ活動拠点として機能する」可能性があると述べた。
法案を共同提出したケイティ・ブリット議員も知的財産の窃盗、TikTokによる意識操作などを並べて中国共産党が国家安全保障における脅威だと指摘。軍事施設近くの農地買い占めでも「責任を負わせる必要がある」と語気を強めた。
ノースダコタ州やテキサス州は、「国家安全保障に対する重大な脅威」になるとして、空軍基地近くに計画していた中国企業によるプロジェクトを無効にしている。
立法措置が急がれる
米シンクタンク・ヘリテージ財団は28日、「新たな冷戦に勝つための計画:中国対策(仮訳)」と題する報告書のなかで、米国が中国共産党の脅威に立ち向かう100以上の政策提言を行なった。その中には、「中国の工作員による重要インフラや戦略的農地に近い土地や物件の購入を防ぐ」内容が含まれている。
米国では超党派でこの問題に立ち向かっており、コットン氏とブリット氏の法案は最新の取り組みと言える。
3月には、ジョシュ・ホーリー上院議員が、中国共産党と関係のある企業や個人による米農地の購入・賃貸を禁止する法案を提出した。既存の所有者に対しては、土地売却が求められ、違反した場合は罰金や刑事罰を受けることになる。
ヘリテージ財団の提言には、米国農務省を対米外国投資委員会(CFIUS)の審査プロセスに加えることの義務付けを含む。CFIUSは、外国の企業買収について国家安全保障上のリスクを審査する委員会だ。
この提言に対応する法案も既に提出されている。先月、マイク・ラウンズ上院議員が、中国による米国農地購入を禁じ、農務長官をCFIUSの常任委員に配置する法案を提出した。
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