【我要做封控】
耳を疑ったが、彼らは確かに「我要做核酸」「我要被封控」と叫んでいる。ゲラゲラ笑いながら「俺にPCR検査をやってくれ」「封鎖措置をやってくれ」と言っているのだ。これは一体、どうしたことか。
手に「白い紙」をもった北京市民が街頭に出てきて、市当局および中共政権に対し、激しく抗議活動をしている。そのなかに、冒頭に挙げた一幕があった。
3年にわたり、中国の庶民は「PCR検査」と「封鎖措置」で、がんじがらめにされてきた。もはや無意味なことが明白の「清零(ゼロコロナ)政策」である。その人権無視の非道ぶりは、24日に新疆のウルムチ市で起きたマンション火災で、ついに民衆の怒りに火を着けてしまったようだ。
清零政策による都市封鎖と建物封鎖のため、消火や救助ができず、幼い子供をふくむ多数の住民が焼死した。あまりにも悲惨なその結末は、中国の全ての庶民に「いつか必ず自分もこうなる」という、生々しい危機感を抱かせたに違いない。
市民が手にしていた「白い紙」は、無言の抗議を意味している。ゲラゲラ笑う彼らは「もう怖いものはないぞ。俺を封鎖できるものなら、やってみろ!」と叫んでいたのだ。
紀元前、秦の始皇帝の時代。「王侯将相、いずくんぞ種あらんや」と叫んで、破れかぶれに決起した庶民がいた。この反乱は「陳渉・呉広の乱」となって全土に広がり、秦王朝の滅亡を早めた。
中国人の誰もが知っているその史実を、彼らは今また思い出している。
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