「鉄檻に10年以上監禁」中国でまた虐待受けた女性を発見 「拾ってきた」

2022/03/03
更新: 2022/03/03

陝西省佳県で10年以上、檻に監禁されている女性がこのほど、見つかった。女性の「夫」とされる男はSNS上の動画で女性を「拾ってきた」と主張し、女性への虐待行為を動画で赤裸々に話していた。

男がSNSに投稿した動画によると、2人は2009年から同居を始め、一男一女をもうけたが、女の子は生後間もなく3万元(約54万円)で近隣の村の人に売ったなどと語った。

男は、「何度も逃げようとした」女性を「三日三晩、ベンチに縛り付けた」「自宅近くの洞窟に閉じ込めた」「大きな鉄檻に閉じ込めた」と憚らずに話していた。女性の顔や足にできた暴行のキズ跡まで映した。

男は動画で、現地当局者に頼み込んで作ったという女性の戸籍を見せた。それによると、2人は夫婦関係で、女性の生年月日は1975年5月5日となっている。

女性は長年の虐待で精神障がいを患っているという。

男は、政府の低所得者補助を受け、女性を監禁するための檻を建てたことを自慢していた。有刺鉄線の高い塀に囲まれ、屋上には監視カメラ、窓には鉄格子をびっしりと張り巡らせている檻も公開した。

アクセスを稼ぐために動画の投稿を続けていたとみられる。3月1日現在、同アカウントのフォロワー数は7万8000人に達し、今は閉鎖されている。

ネットユーザーの書き込みによると、女性は09年9月に失踪した青海民族大学の王国紅という名前の女子大生である可能性が高い。王さんの両親が長年自力で娘の行方を探していたが、重病を患った母親は19年5月に亡くなったという。

いっぽう、地元政府は男を「名誉あるファミリー」として表彰していた。

2009年行方不明になった女子大生を探すビラ(スクリーンショット)

陝西省の地元公安局は1日の声明で、男を拘束したと発表した。「鉄檻の母」事件は江蘇省豊県の「鎖の母」事件に匹敵するほどの凄惨さだとした。

江蘇省徐州市でこのほど長年、首を鎖でつながれている女性の存在が明るみに出て、その悲惨な境遇は社会に大きな衝撃を与えた。女性は人身売買の被害者であり、8人の子どもを出産した。

中国では、女性の人身売買は長年、横行しており、背景には貧困や一人っ子政策による男女比率の歪みで結婚できない男性が増えているという事情がある。

(翻訳編集・叶子静)