六四事件37年 天安門厳戒とSNS検閲強化 追悼封鎖の実態

2026/06/04
更新: 2026/06/04

1989年の六四事件から37年を迎えた6月4日、北京・天安門周辺では異例の厳戒態勢が敷かれた。現地では検問や監視が強化される一方、SNS上でも追悼投稿がほぼ消失し、画像転送で拘留の可能性も指摘されている。市民の証言から当日の実態を追う。

北京市民によると、広場へ通じる複数の交差点が封鎖され、人民大会堂側の路地入口には警察および私服要員が配置されているという。

また、中国のSNS上のチャットグループでは、例年見られるろうそくや白い花の画像は、今年はほとんど確認されていない。あるネットユーザーは、中国の国家安全当局の関係者から、「六四」に関する画像を1枚転送するだけで10日間拘留される可能性があると警告されたと証言している。

北京に滞在している遼寧省出身の陳情者・劉氏は、6月4日に大紀元の取材に応じ、「前門から天安門広場まで、わずか200メートルほどの間に見張り所やパトカーが多数配置されている」と語った。

「前門の大柵欄から天安門広場の方向を見ると、パトカーが数多く並び、通常は駐車禁止の場所にも私服警官車両が停まっていた。地方から来た人に『何かあったのか、なぜこんなに私服警官がいるのか』と尋ねられたため、『今日は六四だからだ』と答えると、相手はうなずいて立ち去った」

天安門周辺で厳戒態勢 検問と監視の実態

別の陳情者である趙氏は、「六部口、南長街、人民大会堂西側の路地入口や交差点には、いずれもパトカーが配置されている。通行人は身分証の提示を求められ、陳情者と判断されれば、路肩に停車した車両の中へ連れて行かれる。今年は特に取り締まりが厳しい」と語った。

さらに趙氏は、「六四事件で犠牲した学生の母たちですら墓地での追悼が許されていないと聞く。当局は一体何を恐れているのか。東交民巷周辺にも見張り所が設けられており、携帯電話で写真を撮ろうとすると制止され、『立ち止まるな、早く立ち去れ』と命じられた」と述べた。

南池子に住む住民も取材に対し、天安門広場周辺の警備は通常より明らかに強化されており、該当地域に入るには検査を受ける必要があると明かした。

「朝5時の時点で、すでに市内のパトカーが大幅に増えているのを確認した。警察は車内で待機し、交差点には身分証読み取り機を持った警官が立っている。長安街に入るには、必ず身分証のスキャンを求められる」

匿名を希望するこの住民は、さらに次のように語った。

「広場周辺は普段から厳しく管理されているが、今日は状況が異なる。いくつかの交差点は完全に通行禁止となっている。人民大会堂側の路地入口にも警官がおり、警官や私服警官が配置されている。少し立ち止まるだけでも、何をしているのかと問いただされる。今日は六四である。何周年かは覚えていないが、当時の出来事は今も目の前で起きたかのように感じる」

この住民によれば、今日(6月4日)、天安門広場や長安街沿い、周辺の地下鉄出口にも警察が配置され、地下通路の一部では椅子に座った軍人が通行人を監視しているという。

年配の市民の多くは、この日がなぜ厳戒態勢となるのかを理解しているが、公の場で「六四」に言及することは避けている。

中国SNSで言論統制強化 投稿消失の背景

中国本土のインターネットプラットフォームでも、検閲体制が強化されている。

複数のネットユーザーによると、WeChatのグループチャットやモーメンツ、微博(Weibo)、小紅書(RED)などでは、6月4日前後になると言論統制が一段と強まり、通常は投稿可能な画像や文章、コメントが表示されなくなるという。

活発に発信を行っている秦氏は、「今年はWeChatのチャットグループで六四に関する画像がまったく見られない。昨年はろうそくや白い花を投稿する人がいて、自分も転送したが、今年は誰も投稿しない。そのようなことをする勇気がないのだ。国家安全当局の関係者から、六四の画像を1枚転送すれば10日間拘留される可能性があると警告された。自分自身も処罰されるおそれがある」と語った。

記者が20以上のチャットグループを確認したところ、主にイラン、ハマス、ウクライナなど国外情勢に関する話題が中心であった。

監視対象の拡大 人権活動家の証言

北京の人権活動家である周氏は、「今年は多くの人が監視対象となり、いわゆる維穏措置を受けている。私自身も監視下にあり、建物の下には車両が1台監視している。海外サイトへのアクセスを控え、数日間外出を自粛するよう指示されており、6日になれば解除される見込みだ」と語った。

過去30年以上にわたり、6月4日には、一部のネットユーザーがろうそくや白い花、モノクロ画像、数字「8964」や語呂合わせなどを用いて追悼の意を示してきた。しかし今年は、こうした投稿がSNSやチャット上からほぼ完全に姿を消している。

周氏は「グループ内は水を打ったように静まり返り、息が詰まるような空気だ。海外にいる人々がうらやましい」と語った。

孫誠