中国元教授、人身売買撲滅求める書簡を公開 すぐ削除される 

2022/02/27
更新: 2022/02/27

中国の法律専門家がこのほど、公安、検察、法院を所管する共産党中央機関「中央政法委員会」に人身売買を重点的に取り締まるよう、呼びかける公開状をSNSに投稿したが、20数分後に削除された。

江蘇省徐州市農村部で首を鎖につながれた女性が見つかった事件をきっかけに、中国では人身売買の問題への関心が高まっている。

公開状を出したのは浙江省温州城市大学法学部の副教授だった蔡釩氏。同氏が中国SNS「微博(ウェイボ)」への投稿で、1989年の調査報告を引用し、「1986年から1989年までのわずか3年あまりの間に、全国から江蘇省徐州市周辺の6つの県に、女性4万8000人以上が人身売買によって連れ込まれ、最年少者は13歳だった」と問題の深刻さを訴えた。

同氏は公開状で、SNSなどを通じて中央政法委員会に女性と子どもの人身売買の犯罪撲滅に取り組むことを求めるよう、一般市民に呼びかけた。「中央政府がこの問題を重視すれば、抑止力になる」と同氏は話す。

投稿は30分も経たないうちに削除された。

蔡釩氏は大紀元の取材に対して、「(鎖の母は)あまりに悲惨だった。人身売買を取り締まらなければ、どの女性も彼女のようになる可能性がある」と公開状を出す動機を述べた。

蔡氏は米ラジオRFAの取材で、中国当局はこの事件に逃れない責任があると言及した。「この事件に関する一連の政府発表は、国民の不信感を募らせているばかり」と政府の対応を批判した。

江蘇省と地元政府はこれまで5回の調査結果を発表した。当初、人身売買がなかったとしていたが、世論の強い反発を受け、一転して夫らを不法監禁や誘拐の容疑で逮捕した。

(翻訳編集・叶子静)