「不満分子は米国に行け」環球時報・胡錫進前編集長、陳光誠氏を中傷 非難殺到

2022/02/11
更新: 2022/02/11

中国官製メディア「環球時報」の前編集長、胡錫進氏はSNS微博(ウェイボー)上で、米国に亡命した人権活動家、陳光誠氏を中傷し、批判が殺到した。

米国生まれで中国代表として北京冬季五輪のフリースタイルスキー女子ビッグエアに出場した谷愛凌(アイリーン・グー)選手が8日、金メダルを獲得した後、胡氏はウェイボーで同選手をこう称えた。

「美しくて才能のある谷愛凌選手が中国に戻り、中国代表として大会に出て、チャンピオンになった。いっぽう、移動困難な視覚障碍者である陳光誠は、『光を求めて』米国に行った。中国では有能な人材を歓迎する。科学者、スポーツ選手、ビジネスマンは大歓迎だ。そして、不満を持つ陳光誠に米国に行ってもらい、自由に身を投じてもらいたい。中国が仕事のできる人の楽園に、そして米国が文句を言う人の楽園になれば、世界はきっと調和するだろう」と書き込んだ。

この投稿に対して、コメント欄では胡氏が身体障害者を差別したとの声が上がった。

「胡編集長の発言はレベルが低すぎる」

「他人の痛みを利用して、自分の主張を展開する」

「(胡氏は)目が見えるのに、心が暗黒になっている」

「(胡氏の)心が視覚障害になっている」

胡編集長の息子がカナダに在住していることに言及するネットユーザーがいる。

「国内に不満を持っているから、息子さんに光を求めさせ、自由に身を投じさせたのか」

胡錫進氏は批判された後、投稿を4回修正した。「移動困難な視覚障碍者である陳光誠」を「一部の心が暗い『国と党を恨む』人」に変えた。

ただ、最初の投稿は中国のネットユーザーらに拡散されたため、多くの人は

「陳光誠は誰だ?なぜ米国に亡命したのか」

「陳光誠は誰?(ポータルサイトの)百度で検索しても見つからない。胡編集長、皆さんに解説して」

と胡錫進氏に説明を求めている。

2020年8月、米共和党の全国大会で演説し「中国共産党は人類の敵だ」と非難した陳光誠氏に対して、胡錫進氏はネット上で批判を展開していた。当時も、ネットユーザーから反発のコメントが殺到した。

当局の強制堕胎を批判してきた陳光誠氏は2005年、当局に山東省の自宅に軟禁された。06年、4年3カ月の懲役刑を言い渡された。10年に釈放されたが、当局による監視と嫌がらせが続いた。12年5月、陳氏は見張りの隙を突いて脱出し、支援者のサポートを受け、北京にある米大使館に駆け込んだ。米中両政府の激しい交渉の末、妻子と渡米した。

(翻訳編集・張哲)