北京五輪外交ボイコット、米国人の半数が支持=世論調査

2022/02/04
更新: 2022/02/04

米調査機関ピュー・リサーチ・センターによると、バイデン政権が人権問題を理由に北京冬季五輪に外交使節団を派遣しない「外交ボイコット」を実施することについて米国人の半数が支持していることがわかった。調査は1月10日から17日にかけて、米国の成人5128人を対象に行われた。

1月31日に発表された調査結果によると、バイデン政権の五輪ボイコットを「強く支持する」と答えた人は21%、「やや支持する」が26%、「やや支持しない」が15%、「強く支持しない」が7%、「わからない」が31%だった。

新疆ウイグル自治区等における中国の人権侵害問題をジェノサイド(大量虐殺)と認定する米国は昨年12月、北京冬季五輪に政府関係者を派遣しないと発表した。カナダやオーストラリア、日本など同盟国も後に同様の対応を取ると表明した。

中国では北京冬季五輪を目前にして中共ウイルス(新型コロナウイルス)のオミクロン株の流行が確認され、中国共産党は厳格な防疫対策「ゼロコロナ」を実施している。海外の五輪代表選手やメディア関係者には一般居住区から隔離した閉鎖環境型「バブル式」の管理を採用。220万人以上の北京市民に対しては検査を義務付けた。ノルウェーのクロスカントリー男子のシメンヘグスタッド・クルーガー選手のほか、ロシアの複数の選手がコロナ陽性で大会出場を辞退した。

激しい米中貿易戦争と相互の報復関税や制裁を経て、中国に対する米国の世論は依然として強く否定的であることも示された。今回の調査では、中国に対する見方について米国人の54%が「競争相手」、35%が「敵対国」と見ており、価値観を共有する「パートナー」と見なすのはわずか9%だった。

昨年6月に発表された日本やアジアおよび欧州主要国の17か国を対象とした同社の国際世論調査では、平均7割が中国に対して否定的な見方を示した。最も多かったのは日本で10人中9人(88%)が「好ましくない」と答えた。またいずれの国も「中国では個人の自由が尊重されていない」と答える割合が9割近くに達することも明らかになった。

日本の安全保障、外交、中国の浸透工作について執筆しています。共著書に『中国臓器移植の真実』(集広舎)。
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