中国・西安市では、昨年12月下旬から中共ウイルス(新型コロナ)の感染拡大で都市封鎖が実施された。厳格で理不尽なゼロコロナ政策は多くの悲劇を生んだ。
1人の市民はネット上で、「今の西安市政府は、市民が餓死あるいは病死しても構わないという態度を見せている。でも、市民が新型コロナウイルスで死ぬことを絶対に許さないのだ」と批判した。
4日、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」上に西安市の病院に診察を拒否された妊娠8カ月の女性が流産したという情報が投稿され、市民の怒りが渦巻いた。病院側は、妊婦が新型コロナウイルスPCR検査の陰性証明書を提示しなければ、病院への立ち入りを禁止し、診察と治療を行わないとしていた。
投稿によると、妊婦は元日夜7時頃、下腹部に強い痛みを感じた。「120番」で救急車を呼んでも電話が繋がらなかったため、家族は自家用車で妊婦を地元の病院へと運んだ。
病院側から、妊婦のPCR検査の結果が48時間を超えたため、再度検査を受ける必要があると伝えられた。結果が出るまで、病院内に入ることができないという。
妊婦は零度を下回る寒さの中で、病院の入り口でPCR検査の結果を待っていたが、夜10時過ぎ頃、大量出血をした。病院側は急きょ、妊婦を病院内に入れ治療を始めたが、胎児はすでに死亡していた。
ネットユーザーらは、「2022年にこんな出来事があるなんて、信じられない」と憤りを隠せない様子だった。「当局の冷血さをあらわにした出来事だ」「避けられる悲劇だった」「ニュースでは全てうまくいっている。だが、現実世界ではこの有様だ」との投稿が相次いだ。
投稿は約600万回閲覧された後、中国のネット検閲当局によって削除された。
ネット上で助けを求める西安市民が続出した。ネットユーザー「太陽花花花」は、父親に急性心臓発作の症状がみられたにもかかわらず、複数の病院に診療を拒否されたと訴えている。また、白血病を患い、治療が6日間も中断された子どもも、西安市の医療機関に拒まれた。親がネット上で必死に訴えた結果、受け入れに手を挙げる病院がようやく現れた。
西安市は、中共ウイルスの感染拡大を阻止するために、ゼロコロナ政策を実施している。市当局は5日の記者会見で、4日までに市内で感染者1793人を確認したと公表した。元日以降、1日当たりの感染者数が減少傾向にあるため「感染は有効に抑えられた」と誇示した。
いっぽう、市民らは夜中の強制隔離、外出禁止による食糧不足などに怒りと苛立ちを募らせている。
市当局は市民の不満を封じ込めるために言論統制を強化した。当局は5日、SNS微信(ウィーチャット)上で、ユーザーのすべての投稿や書き込みを監視するとの通知を発表した。微信上で、市当局のゼロコロナ政策に対して「ネガティブな情報」を流せば、「直ちにグループチャットのアカウントを凍結する」という。
(翻訳編集・張哲)
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