中国海南省海口市は13日、不動産開発大手、中国恒大集団に与えた土地の不動産権利証書(国有土地使用書)を無効にし、同社が持つ複数の土地を取り戻すとの声明を発表した。
声明は、土地を取り戻す理由について、「建設着工予定日から2年過ぎても、工事が始まっていない」とし、関連法令に基づき「8筆の国有建設用土地の使用権を無償で取り戻すことを決定した」とした。
声明によると、8件の土地のうち、恒大集団海南有限公司が1件を保有する。新世紀中国地産(海口)有限公司が6件の土地を持つ。海口外灘城房地産有限公司は1件を持つ。
中国メディア「第一財経」14日付によると、新世紀中国地産(海口)有限公司は恒大集団の孫会社に当たる。
経済情報サイト「財経網」14日付では、広東省政府の監督管理チームは、恒大集団の国内各地にある子会社などに対して、現在行われている資産の処分売りを一時停止するよう口頭で要求した。恒大集団の関係者は、同社の負債と資産の実態を把握するための省政府の対応だと話した。
香港証券取引所に提出された資料では、このほど、恒大集団の許家印会長の同社株に対する持ち株比率が61.88%から59.78%に低下した。株式は担保に取っていた第三者によって強制的に売却された。対象となった株式は2億7780万株で、10日の香港株式上の終値に基づき、約4億9200万香港ドル(約72億円)に相当。
ロイター通信は15日、中国当局は恒大集団と許家印会長の資産を監査しており、処分売りは予定していないと報道した。
中国最高指導部は今月上旬に開催された経済政策会議で、「安定を第一に」との基本方針を出した。全国人民代表大会(全人代、国会に相当)財経委員会の副主任委員を務めた賀鏗氏は13日、ロイター通信の取材に対して、中国経済の不安定の根本原因は「金融不安であり、金融不安を引き起こしたのは不動産バブルだ」と指摘した。
(翻訳編集・張哲)
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