訪日中のジョン・アクイリノ(John C. Aquilino)米インド太平洋軍司令官は11日、岸田文雄総理大臣、岸信夫防衛大臣、そして林芳正外務大臣と会談した。日米双方は中国による軍事力を背景とした現状変更の試みに対する深刻な懸念を共有し、抑止力の更なる強化に向けて緊密に連携することを確認した。在日米軍再編についても意見を交わした。
岸田首相、中国に関する懸念を共有
岸田文雄首相はアクイリノ司令官の訪日を歓迎するとともに、「日米の協力を一層進めることによって、『自由で開かれたインド太平洋』を実現し、地域、そして国際社会の平和と安定に向け協力していきたい」と述べた。
会談のなかで、双方は中国による一方的な現状変更の試みに対する深刻な懸念を共有した。また、核開発やミサイルの発射実験を繰り返す北朝鮮の情勢について意見交換を行った。
そのうえで、日米同盟の抑止力と対処力の更なる強化に向けて緊密に連携していくことを確認した。
岸田首相は在日米軍再編にも言及、米軍の活動の際には地元への影響に配慮するよう要求した。
岸防衛相、自衛隊と米軍は緊密な連携を
岸信夫防衛相は同日午後、アクイリノ司令官と会談した。
中国による一方的な現状変更の試みや北朝鮮によるミサイル発射などで日本の安全保障環境が一層厳しさを増すなか、強固な日米同盟のもとに「自由で開かれたインド太平洋」構想を推進していくことについて協議を行った。
また、自衛隊と米軍が引き続き緊密に連携していくことを確認した。
前回訪日した今年6月には、アクイリノ司令官は、菅義偉前首相や茂木敏充前外相と会談を行った。
林外相、日米同盟の重要性を強調
林芳正外務大臣はアクイリノ司令官との会談のなかで、日米同盟はインド太平洋の平和、安全、繁栄の礎であり、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて連携していきたいと述べた。
林外相も中国の動きに対する懸念を共有し、北朝鮮情勢について意見交換を行った。
双方は、普天間飛行場の辺野古移設や、在沖縄米海兵隊のグアム移転を始めとする在日米軍再編を着実に進めるとのコミットメントを再確認した。
林大臣は、在日米軍の活動には地元の理解と協力が不可欠であるとし、地元への影響に配慮した安全な運用をするよう求めた。
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