タジキスタン、中国資本の警察施設建設を承認 アフガン国境近く

2021/11/25
更新: 2024/04/22

タジキスタン当局者は28日、中国の支援を受け、アフガニスタンとの国境近くに警察特殊部隊の施設を建設する。今夏の駐留米軍の撤退以後、中国はますます中央アジアにおける影響力拡大を強めている。ラジオ・フリー・ヨーロッパ(RFE/RL)などが報じた。

タジキスタン当局によると、基地は山岳地帯のゴルノバダフシャン自治州のイシュカシムにあるワカン峡谷に建設される。建設費用(約850万ドル)は全額中国側が負担する。監視施設のほか部隊要員の駐留する居住棟が建つという。

基地新設は議会承認を受けている。タジキスタン議員の説明によれば、基地は組織犯罪対策を中心とした警察業務を行い、施設には中国から提供される「国際刑事警察機構(インターポール)の情報システム用の特別機器」が設置されると述べた。

中国側もタジキスタン側も、中国軍の駐留を否定しているが、この施設は、タジキスタン内務省と中国国家安全部の合意で建設される。ロシアメディアのニュー・イースタン・アウトルックが伝える専門家の推察によれば、施設には300〜500人の要員、数台の軽装甲車、無人航空機(UAV)が配備される可能性があるという。

同メディアは「中国当局が自国の利益を追求するため国境地域に基地を建設した」と伝えた。ウイグル人の監視や、アフガニスタン武装集団の攻撃から国境を保護する狙いがあるという。加えて、タリバン政権との協力や交渉の拠点にもなりうると指摘した。

さらに、アジアとヨーロッパを結ぶ物流大国を狙うトルコを牽制できるという。基地建設は「トルコによる中央アジアの積極的な対外進出に対する北京の反応だ」と同メディアは報じた。

モスクワに拠点を置くシンクタンク、カーネギー・モスクワ・センターのテムール・ウマロフ氏は、タリバン政権後に情勢不安定になっている中央アジア地域において「将来的に中国の軍事・情報分野での協力が地域全体で強化される可能性がある」と述べた。

Tran Nhung