日本とフランスの安全保障担当高官は19日、東京で協議を行った。仏側の発表によると、年内にも日仏外務・防衛閣僚会合、いわゆる「2プラス2」を開催する予定であり、今回はその準備会議だという。
日本側は、外務省の岡野正敬総合外交政策局長、防衛省の野口泰防衛政策局次長が出席。フランス側はフィリップ・エレラ欧州・外務省政務・安全保障総局長、アリス・ギトン軍事省国際関係・戦略問題総局長他が出席した。
双方は、法の支配に基づく自由で開かれた地域としてのインド太平洋に対する一致したアプローチを確認した。また、同地域の開発と安全のための具体的なプロジェクトの実施に、日仏共同で取り組むことを強調した。
フランスは、欧州連合(EU)理事会の次期議長国として欧州が掲げる目標を紹介。9月16日に発表されたヨーロッパの戦略では、インド太平洋地域を優先課題として位置付けている。
双方は、安全保障・防衛協力の現状を総括し、両国の戦略的関係を深化させるという共通の意思を確認した。インド太平洋地域について、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画の進展とその影響ならびにアフガニスタン情勢をめぐって議論した。
4局長は中国の戦略的姿勢に関連した諸課題と、そこから引き出すべき結果について、双方の評価を深く掘り下げて、認識を共有した。
また、2国間の安全保障・防衛関係の法的枠組みを強化することで一致した。特にジブチをはじめ、アフリカ東海岸を含めて、地域における自衛隊とフランス軍との間の相互運用性を強化することでも同意した。
日仏は2019年6月、マクロン大統領の訪日に合わせて 「日仏協力ロードマップ2019−2023」を発表。インド太平洋における協力を強化 、 防衛分野における二国間の協力の深化、 経済的パートナーシップの発展などで合意した。
外務省は今年7月、同ロードマップに基づき、21年までに実施する日仏協力プログラムの資料を公表した。安全保障分野の協力として日仏、日仏米、また両軍が参加する多国間訓練を列挙。特に5月、日米豪仏4か国共同訓練「ARC21」のなかで、陸上自衛隊、仏海兵隊、米海兵隊は離島防衛を想定した演習を霧島演習場などで行っている。仏兵士が日本国内で陸上演習を行うのは初めて。
そのほか、海上保安庁と仏海洋総局は今年、海洋安全保障分野における情報共有を推進するためのロードマップを作成。さらには、仏軍による北朝鮮の「瀬取り」監視の協力、日仏協力の途上国へのインフラ投資・保健衛生支援実施などが記された。
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