香港民主派47人が出廷 市民千人超が裁判所前で声援

2021/03/02
更新: 2021/03/02

香港国家安全維持法に違反したとして起訴された、民主派議員ら47人の初裁判は1日から始まり、2日も行われた。西九龍裁判法院(裁判所)の外で、市民千人余りが集まり、抗議運動を展開した。公判の傍聴には、欧米各国の領事館関係者も駆け付けた。

香港警察は2月28日、1月に拘束した民主派55人のうち、47人を「国家政権転覆」を図ったとして起訴した。

1日早朝6時から、傍聴を希望する市民の列が裁判所を囲んだ。なかには、2019年の民主化運動で使われたスローガン「5大要求のうち1つも欠けてはならない」を叫んだ市民の姿もあった。

香港警察は裁判所周辺に警官を大量に投入した。スローガンを叫ぶ市民に対し、「国家安全維持法」の違反を警告する旗を複数回掲げて、威嚇した。

中国の習近平政権は昨年6月末、香港の民主化運動を取り締まるために国家安全維持法を導入した。

香港警察当局によると、1日に市民千人以上が傍聴の列に並んだ。

カトリック香港教区の陳日君枢機卿(89)も裁判所の前で、47人への声援を行った。張超雄・前立法会議員や、1月に逮捕された55人のうち当局に起訴されなかった涂謹申(ジェームス・トゥ)前立法会議員など多くの民主派も駆けつけた。

また、欧州連合(EU)の駐香港代表部、英国、米国、ドイツ、オランダ、カナダ、スウェーデンとオーストラリアの駐香港総領事館の担当者なども、傍聴を希望した。

一方、香港誌「紫荊」3月号は、中国当局の香港政策を担う香港マカオ事務弁公室主任、夏宝龍氏が2月22日行った演説内容を掲載した。

夏氏は当日、全国香港マカオ研究会が開催したフォーラムで、「愛国者による香港統治」を強調した。同氏は、香港メディア「蘋果日報」創業者の黎智英氏や、民主活動家の黄之鋒氏などを名指しして、「厳罰」にすべきだと主張し、民主派への取り締まりをさらに強化する姿勢を示した。

(記者・梁珍、翻訳編集・張哲)