米国の給与計算などの人事関連業務サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)と格付大手ムーディーズ傘下のムーディーズ・アナリティクスは8日、2月全米雇用報告を発表した。それによると、民間部門雇用者数は29万8000人増で、事前市場予想の19万人増を大幅に上回った。1月の26万1000人増と比べて、約4万人増加となった。
この報告内容は、トランプ政権が1月20日に発足してから最初の1カ月の全国雇用情勢を示したものだ。トランプ大統領は就任前から、国内の老朽化したインフラ投資を促進していくと主張してきた。
同報告によると、29万8000人のうちに、サービス業の雇用は19万3000人、建設業と製造業を含む財生産部門は10万6000人とそれぞれ増えた。建設業は6万6000人と11年ぶりの大幅な伸びとなった。
ムーディーズ・アナリティクスのチーフエコノミスト、マーク・ゼンディ(Mark Zandi)氏は米CNBC放送に対して、企業はトランプ大統領の減税や規制緩和などの政策に対する期待感が非常に高いため、「積極的に雇用を行っている」と述べた。
CNBCは、ADP2月雇用報告の大幅な増加を受けて、来週14日と15日に中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを踏み切るとの観測が一段と高まったと示した。
CNBCによると、市場関係者が予測した来週のFRB会合で利上げの確率は、3月初めの80%から91%になった。
米国が利上げ実施となれば、日本と米国間の金利差が広がり、一般的、短中期には金利の高い米ドルに投資資金が流れ、為替市場ではドルが買われ、ドル高・円安になる。しかし、今までのトランプ大統領の発言を見ると、ドル高に否定的な姿勢を読み取れる。そのため、対円でドルの大幅な上昇は期待できないとみる。
現在世界金融市場では、米国労働省が10日に発表する2月雇用統計に注目が集まっている。市場では、非農業部門雇用者数は21万人増加と予想している。
(翻訳編集・張哲)
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