【大紀元日本7月19日】60歳の中国著名環境保護活動家の霍岱珊氏は20数年間、淮河の汚染の解決に尽力し、「淮河の護衛者」とも言われている。氏はこのほど、淮河から奇形の魚十数匹を捕獲した。脊椎がらせん状に曲がっているものや、鱗が重なって生えるもの、胴体の一部が欠損しているものなど様々だ。「間違いなく水質汚染が原因だ。淮河では魚介類が一時絶滅したが、いまは徐々に戻っている。しかし、奇形の魚の比率は非常に高い」と状況を説明した。
淮河は、長江、黄河に次ぐ中国第三の大河であり、長さ1078キロ、流域面積17.4万平方キロ。河南、安徽、江蘇、山東、湖北の5つの省に跨り、沿岸の人口密度は全国の河川のトップである。80年代以降、淮河やその支流流域に化学工場がさかんに建設され、工業廃水の垂れ流しが環境に深刻な影響をもたらした。
環境への影響はやがて魚や人間に現れた。過去十数年間にわたり、淮河の沿岸では「がん村」の存在がたびたび報じられている。最近では、この地域での高いがん罹患率と水質汚染との直接的な関連性も、研究機関により初めて立証された。
11日、「北京晨報」の記者は淮河の最大の支流である沙頴河の沈丘エリアを訪れた。
川沿いの村・河南省沈丘県杜営村は、人口約2千人。村幹部の話では、「90年代末から、がんの発症が急激に増加した。2003~10年では、がん発症はピークを迎え、毎年十数人が亡くなっている」と述べた。
「新京報」の記者も6月末、沙頴河の安徽省頴上県エリアを訪れた。同県の新集鎮北部、沙頴河から約百メートル離れた下湾村では、ここ十数年間、人口千人のうち、約200人が各種のがんに罹り、次々と命を落としている。現在でも3割強の村民が肝炎を患っている。
頴上県では村民は井戸を掘って地下水を生活用水として使っている。汲み上げた水は色が変わるという。「初めは青だったが、1時間経つと、黄色に変わったりする」。それでも「この水を飲まなきゃ、何を飲めばいいのか」と村民は言う。
淮河のもう一つの支流・奎河の安徽省宿州市楊荘郷エリアには16の村が点在している。「新京報」は地元当局の統計データから、ここ3年間、がんによる死亡者数は全人口の13%を占めていると伝えた。
淮河流域の水質汚染と沿岸住民の高いがん罹患率との関連性について、中国疾病制御センター専門家チームは8年間の調査研究を経て、6月25日に、『淮河流域水質環境と消化管腫瘍による死亡者の関連図鑑』と題する報告書(デジタル版)を発表した。調査チームの専門家は、工業廃水が原因で、重金属は長期にわたり地下に沈殿したため、「がんが多発する現状は、少なくとも今後10年間は続くだろう」と指摘した。
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