薄煕来氏、政治生命終焉 指導部、胡総書記への団結を強調

2012/09/29
更新: 2012/09/29

北京の人民大会堂前。11月8日から第18回党大会が開かれる(AFP PHOTO/GOH CHAI HIN)

【大紀元日本9月29日】中国共産党は28日、中央政治局会議を開き、前重慶市トップ薄煕来氏の党籍剥奪と公職追放を決めた。氏は今後、収賄容疑などで身柄を司法機関に送られるという。

同会議では第18回党大会が11月8日から北京で開催されることも決まり、発表された。

28日付の新華社通信によれば、この日の政治局会議では政治局員らが、共産党中央紀律検査委員会が提出した『薄煕来の重大紀律違反案件に関する審査報告』を審議し、薄氏への処分を決定した。

同報道によると、4月10日に開かれた政治局会議で、党指導部は、薄氏の腹心・王立軍重慶市前副市長の米総領事館駆け込み事件についての調査結果と、薄氏の妻・谷開来の英国人殺害容疑についての報告を聴取したという。

この会議の後、薄氏は政治局員と党中央委員の資格停止の処分を受け、党内の調べを受けることになった。薄氏の処遇をめぐってその後、党内では薄氏の後ろ盾となる江沢民派と胡錦濤総書記派との間で、激しい攻防を繰り広げたとみられる。

新華社通信は薄氏の紀律違反や犯罪容疑を列挙している。大連市長を務めた1990年代から、職権を利用して他人に便宜を図り、その見返りに直接または家族を通じて巨額の賄賂を受け取った▼王立軍事件と谷開来事件で職権を乱用して大きな過ちを犯し、責任重大である▼組織人事紀律に違反し、監督責任を果たさず、深刻な影響を及ぼした▼多くの女性と不適切な関係を持った、などとし、「その他の犯罪容疑も絡んでいる」と報じた。

共産党中央は薄氏の処分で、「薄煕来を反面教材とし幹部の教育を強める」「党の紀律を遵守し、党中央と高度な一致を保つ」「紀律違反や法律違反について、対象が誰であっても、権力の大小を問わず厳しく追及する」と強調している。さらに、「全党と全国人民」に向け「胡錦濤同志を総書記とする党中央に団結するよう」呼びかけた。

薄氏への処分と党大会の日程を同時に発表したことについて、ウォール・ストリート・ジャーナルは、共産党高層の中で次期指導者についての意見が収束したことを意味すると分析した。また、党大会を前にした処分発表は、党内の腐敗や職権乱用への反発が、共産党政権の存続を脅かす事態にまで発展していることに、指導部が危機感を覚えたからだと指摘した。

(翻訳編集・張凛音)