18日に開かれた国連人権理事会第21回会合(大紀元)
【大紀元日本9月22日】ジュネーブの国連欧州本部で開かれている国連人権理事会第21回会合で、複数の非政府組織が中国当局による法輪功弾圧の現状を報告し、国連に緊急調査を要請した。弾圧の実態を記録するドキュメンタリー映画も上映され、関係者から「この残虐無道な犯罪を制止しなければ、人類に未来と希望がない」との声が上がった。
18日の同会合で、国際教育発展組織(IED)の首席代表パーカー博士がこの案件を緊急議案として処理するよう呼びかけた。「IEDは法輪功学習者が精神病院で受けた虐待や酷刑などについて国連に報告書を提出した。多くの証拠はすでに、法輪功学習者が強制的に臓器摘出されたことを裏付けた」
国連人権理事会の会合に臨む大紀元時報総編集長の郭君氏(大紀元)
イタリアのNPO組織の要請で同会合に参加した大紀元時報総編集長の郭君氏も、法輪功学習者を対象にした臓器摘出・密売の実態について報告した。国際弁護士や医学専門家などの調査結果として、2000年から2005年までの間、中国で行われた移植手術のうち、4万1500件は臓器の出どころが判明していないと郭氏は話した。「人類史上類を見ない邪悪さだ」と郭氏は語り、国連人権理事会に対し中国の労働教養所に独立調査機構の派遣を呼びかけた。
郭氏は同日、メディア関係者を招いたパネルディスガッションでも臓器狩りの実態について発言した。司会を務めた人権問題専門家チャールズ・グレーブズ氏は、「臓器狩りについての告発は最初こそ疑う人も多かったが、いまは数多くの証拠が浮かび上がり、告発が真実であることを証明した」とした。この問題が国連人権理事会の会合で提起されたことは「画期的なことだ」と述べた。
18日に続き、翌19日、弾圧と臓器狩りの実態を記録したドキュメンタリー映画「フリーチャイナ:信じる勇気」「生と死の間」の2作が同会合の会場で上映された。
国連人権委員会のスイス代表、同国議員のマーク・ファークェト氏は上映後、次のように述べた。「一国の政府として、中国当局がこのような犯罪を起こしたなんて、想像に絶する」「中国当局はもっとも道徳高尚な中国人たちを破滅させようとしている」。また同氏は、真相を明らかにすることは邪悪な犯罪を制止できると強調し、「真相を知ったすべての人は、周りの人々にも知らせるべきだ。これは非常に重要なことだ」と述べた。
上映会に出席した郭氏は上映後、臓器狩りにかかわった黒幕について紹介した。中国の政治スキャンダルの中心人物となる王立軍被告、薄煕来氏、谷開来死刑囚ら3人の「最も重要な犯罪は、組織ぐるみの法輪功学習者の臓器の密売だ」と語った。
「1999年の法輪功弾圧開始後、当時大連市トップだった薄氏は、指導部に陳情しようとして逮捕された大量の学習者の身柄の管理を引き受けた。後に薄氏夫妻は現地政法委と結託して、これらの学習者の臓器を強制摘出し、国際密売を行い巨額な富を築いた。いま、薄氏は失脚し、その妻である谷は英国人殺害の罪で執行猶予付きの死刑判決を受けたが、臓器狩りという最も主要な罪状が中国当局に隠されている」
「英国人ヘイウッド氏が谷死刑囚に殺害された本当の理由は、証拠隠滅のためである。彼は薄氏夫妻と親密な関係にあり、その裏幕を知っていたからだ。中国当局はこの最も重要な事実を隠し、個人ビジネスのトラブルで殺害されたとしている。一方、このような状況下で、薄氏の腹心である王被告は、薄氏一族の秘密を知りすぎた自分もいずれ殺されるのではないかと怯えていた。そのため、今年2月、彼は米国領事館に駆け込みし、亡命を試みようとした」
最後に郭氏は、「この臓器狩りの真相が、明らかになる日が必ずやってくる。ただし、肝心なのは将来この歴史を振り返ったとき、真相を知っていた、あるいは真相を聞いていた私たちが、この残虐極まりない犯罪にどう対処したのか。すべての人々の良識がまさに試されている。ぜひ、このことを真剣に考えてほしい」と述べた。
ドキュメンタリー映画「フリーチャイナ」は法輪功学習者が中国の監獄で受けた洗脳や拷問、臓器狩りなどの実態について描かれたもので、ロサンゼルスの独立映画祭(LA Indie Film Festival)でドキュメンタリー栄誉賞を授賞するなど、多くの映画祭で賞を獲得している。「生と死の間」は2011年、47回シカゴ国際テレビ祭の調査ドキュメンタリー部門で優秀賞を得ている。
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