<赤龍解体記>(64)温首相、まもなく周永康への反撃に転じるか

2012/05/07
更新: 2012/05/07

【大紀元日本5月7日】盲人人権活動家・陳光誠氏が米国大使館の保護下に入ってから、北京朝陽病院に準軟禁状態にされ米国への出国準備をする今日まで、各メディアの報道は陳光誠氏と中共政法委および米国の態度などに焦点を当ててきたが、中共最高指導者の胡錦濤氏、特に温家宝氏の本件に関して直接あるいは間接的な反応などが見られていない。

温家宝首相は本来、陳光誠氏処遇をめぐる中で必須不可欠な主役のはずである。なぜなら、陳氏が米国大使館の保護下後、直ちに動画サイトにて温首相宛てに三つの要求を出したからだ。この動きからも陳氏の温首相に対する信頼と期待が伺えるからである。

陳氏は北京朝陽病院入院以降、周永康の反動勢力が「環球時報」「北京日報」などのメディア上で陳氏の処遇について攻撃活動を展開しているが、実は、そのターゲットは陳氏らではなく米政府と温首相である。

陳光誠氏が米国大使館に保護され、氏の処遇においての一連の動きの中で、周永康勢力の一連の挙動はきわめて横暴であった。これは中共内部分裂を外部に晒すことになったばかりではなく、温家宝首相を苦境に陥らせてしまった。なぜなら、本事件により引き起こされたあらゆる危機、外交紛争、国際社会からの譴責および国内世論の不満などをすべて、胡錦濤とりわけ温首相が担うことになるからである。

陳氏は、動画で温首相に次のように質問している。

「温首相、こういったあらゆる不法行為に対し、多くの人々はどうしても理解することができない。それらは、中共の地方幹部らの違法行為だったか、それとも中央が指示してやったのか。この問題について、温首相はまもなく国民に明確に答えるものと私は確信している。もし、このようなことについての調査を行わないのなら、事件の真相を民衆に公示しないのなら、その未来の結果は言うまでもないのであろう。もし、総理が依然としてこのように沈黙し相手にしないのであれば、中国の国民たちはどう考えるのだろうか…」

一方、王立軍事件発生後、温首相は立ち上がり長期にわたって彼に対する人的攻撃を行う江沢民勢力を打ち退けてきた。江沢民の「血債邦」を清算することにあたって、温首相は強固な信念と決意を固めたといわれている。そして、アウシュビッツ収容所視察の際の発言も、その固めた決意を実現する前のメッセージと読まれている。

周永康の凶悪な攻撃、胡錦濤と温家宝がピンチに陥っている現状、そして温家宝が口にした誓いなどから判断すれば、軍隊からの支持と強大な民意を有する温家宝首相はまもなく周永康に対する反撃を始めるのであろう。温家宝首相はどのようにして周永康へ反撃するのか、その行方について括目すべきである。

(翻訳編集・呈工)