【評論】温家宝と周永康が対立、指導部全員、闘争の渦中

2012/03/22
更新: 2012/03/22

【大紀元日本3月21日】重慶市トップ薄煕来が解任された今、中共の次の挙動が注目されている。18日、中共内部の情報筋によると、薄煕来への最終処分の問題をめぐって指導部において意見が分かれ、とりわけ温家宝周永康が激しく対立し、お互いに譲歩していないという。そして指導部全員もほぼ事件に巻き込まれ、激闘が繰り広げられている。こういった多人数で広範囲にわたる内部闘争は未曾有である。

 薄煕来を全力で守ろうとする周永康、温家宝と対立

新唐人テレビの報道によると、薄煕来が解任された後、温家宝は薄煕来を法律・党紀違反や職権乱用により王立軍の米領事館駆け込み事件をもたらした事実、そして「唱紅打黒」運動の一連の問題をさらに追及し、薄煕来を免職したうえ、法的裁きを受けるべきと主張している。温家宝の主張は、習近平を含め何人の常務委員の支持を得ている。

しかし、薄煕来と「クーデター」を企んだと噂される周永康は、今もなお全力で薄煕来を庇っている。消息筋によると、9人の常務委員の中で、周永康だけが薄煕来への解任を反対し、そして薄煕来をチベットのトップに転任させると提案した。すなわち、日増しに混乱を増しているチベット情勢をコントロールできるのは、鉄腕の薄煕来をおいてはいないからだという。

薄煕来の問題のみならず、チベット問題においても、周永康は温家宝と激しく対立している。たとえば、温家宝はチベット住民や寺院に中共領袖の画像を強引に掲げさせるのを反対したが、周永康は断固と従来の主張を堅持し、陰で温家宝を「降伏主義者の代表」だと批判した。

 指導部全員も目前の闘争に巻き込まれる

中国社会科学院のベテラン研究者の証言によると、中共指導部におけるより一層激しい激闘がすでに全面的に繰り広げられている。

第一戦役では薄煕来は惨敗したが、これからの闘争でいかなる結果になるかは、なお未知である。王立軍と薄煕来の事件が発生した後、中共党内において、すでに引退した長老級の大物を含め、数十の派閥の者がことごとくこの事件に巻き込まれている。闘争の激しさや波及広範の広さや時局の複雑さなどは、未曾有の規模だと見られている。

ベテラン研究者は、薄煕来に対する最終的処分については、一般的には派閥間による闘争の状況やバランスに決められるが、しかし今回はことが異なる。今のところ、誰でもこの激闘を終止させる能力がないのである。そればかりか、どの勢力も相手側を徹底的に取り除こうとしているので、もはや調和や妥協を求める余地がなくなってしまった。したがって、中共指導部におけるこの激闘は、すでに新しい激闘段階に入ったと言ってもよい。

そして、目下、温家宝と周永康との対決が、指導部における激闘の中軸となっている。

米国会外交委員会は3月19日から、王立軍事件についての諮問調査をはじめた。中共内部からの消息筋によると、王立軍は周到な計画を立てたうえで米領事館に駈け込み、政治亡命を求めたので、中共の政治や経済に関する極秘情報を多く米領事館に提出した。米国の情報専門家はこれらの情報を見て、非常に驚き、はなはだ興奮したという。

薄煕来下しに対し、米国はすみやかに反応したが、米国の態度も明らかで、すなわち胡錦濤らの行動を支持するということである。

米国が入手した資料によれば、薄煕来と周永康が明らかに一体関係にあるので、誰かが何らかの手段で事件の真相を隠ぺいしようとしても無駄である。したがって、米国会で関連の情報がいざ公開されれば、胡錦濤と温家宝は周永康を下さざるをえなくなる。

換言すれば、米国会での調査が進むにつれ、王立軍の提出した資料の内容が次第に披露されていくので、胡錦濤と温家宝は受動的状況に陥らないようにしようとすれば、米国が情報を公開する前に行動すべきだと思われる。