【大紀元日本1月13日】台湾の総統選挙が間近に迫る中、大手企業の最高経営者は相次ぎ、中国政府寄りの国民党候補・馬英九総統への支持を表明している。AP通信は関連報道で、「中国政府が厖大な経済力を駆使して、台湾の総統選挙を左右しようとしており、中国側が好む候補者である現職の国民党の馬英九・総統の続投が期待されている」とコメントしている。
台湾大手企業の最高経営者は相次ぎ馬英九・総統支持を表明
鴻海集団の郭台銘・総裁や、プラスチック製造大手である台塑集団の王文淵・総裁など、台湾屈指の大手企業の最高経営者らは最近、国民党の政治理念「九二共識」への支持を表明したり、あるいは「九二共識」への支持表明で馬英九・総統への支持を示している。
台湾全国商業総会も5日、「九二共識」支持の方針を示した。
台湾紙「中国時報」は、台湾大手企業の経営者らが立て続けに馬英九支持を表明したのに続いて、工商団体もついに馬支持を名乗り出たと報じた。
九二共識(きゅうにきょうしき)は、中国と台湾の当局間で「一つの中国」問題に関して達成したとされる合意の通称。日本語訳は「92合意」である。「九二共識」の支持派である与党の国民党、その馬英九総統が「九二共識」を基礎に中台関係を促進する方針。一方、民進党はあくまでも「九二共識」を認めないという公式見解である。
AP通信:中国は貿易からの利益で台湾総統選挙を左右
AP通信は9日、「中国は貿易で台湾選挙を影響」と題する報道を出した。
同報道は、今回の台湾総統選における中国政府の影響は、明確ではないが広く知られていると指摘。「馬英九・総統の有力対抗馬である民進党候補の蔡英文氏を撃沈するため、中国政府は大量の仕入れ注文や関税の引き下げなどの措置で、台湾の農業・漁業に恵みを注ぎ、選挙民に中国政府の恩恵を顕示している」と報じた。
また、報道は台南市学甲地区の食品輸出業者とサバヒー(虱目魚)養殖業者の実例を取り上げた。これらの業者は、民進党候補の蔡英文氏が当選すれば、中国政府が同地区のサバヒーの大量仕入れを打ち切る可能性があると憂慮している。
同AP通信の報道によると、昨年一年間で、中国政府が同地区から仕入れたサバヒーの総額は450万ドル。1世帯あたり平均4.5万ドルの売上を得ている。取材を受けた食品輸出業者はもともと民進党党員だが、国民党候補の馬英九氏への支持に転向した。
専門家:台湾産業界を通して、馬英九・総統をバックアップする中国
香港浸会大学政治学部の高敬文・教授はVOAの取材で、「中国政府は今回の台湾総統選において、表向きは沈黙の姿勢だが、水面下では絶えず経済力で選挙を左右しようとしている」との見解を示した。
同教授は、「中国政府は現在、中国で巨額を投資する台湾企業を金で遊説し、国民党の候補者(馬英九総統)への支持を働きかけている」「中国政府は徐々に台湾のエリート層の支配を試みている。最も主要なやり方はビジネス、貿易の利益を供与することで、台湾の大企業を丸め込むことだ」と述べた。
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