【大紀元日本1月13日】中国は北朝鮮東北部の羅先・経済特区への巨額投資の計画が明らかになった。投資するのは国有企業「商地冠群投資有限公司」、投資額は20億ドル(約1670億円)、これまでに公開された中国対北朝鮮投資の最高額となっている。7日付の韓国紙・中央日報が報じた。
同紙によると、商地冠群投資有限公司(下略、商地公司)は昨年12月20日、北京で北朝鮮投資開発連合体と10項目の投資合意書を結んだ。特区内では日本と東南アジア向けの輸出入本拠地を構築するほか、石油精製所を建設し、ロシアや中東地区からの原油を精錬して、一部を周辺諸国に輸出する計画だという。
羅先・経済特区は中国と北朝鮮の国境を隔てるトマン川の下流に位置し、中国、ロシアと川を挟んで近隣する。商地公司は2~3年以内に同経済特区で必要なインフラを整備する予定で、火力発電所や、道路、タンカー専用の埠頭、石油精製所等が含まれる。目標はロシアと中東地区からの原油を精錬して、その一部を周辺国に輸出する。また、商地公司は5~10年以内に、同経済特区を北東アジアの最大の工業特区に成長させ、日本と東南アジア向けの輸出入本拠地を目指している。
米ジョンズ・ホプキンス大学国際研究院米韓研究所の具宰会(ク・ジェエ)主任は、この投資は、北朝鮮の経済開発の需要が中国東北部地区の開発戦略とうまく融合した結果と分析した。羅先経済特区に位置する中・ロ・朝につながる羅津港の使用権は中国東北部の開発に大きな意味があると指摘した。
羅先・経済特区は北朝鮮の4大経済特区のひとつであるが、1990年代に経済特区と指定されて以来、開発が停滞しており、早期に旧ソ連が支援して建設した石油精製所もほとんど操業していない。唯一、羅津港の設備は比較的整っている。
昨年北朝鮮の金正日・総書記が現地を訪問した後、同経済特区を「特別都市」に昇格し、建設の再開を図り始めた。直近の金正日・総書記の2度の中国訪問では、中国の最高指導部と同経済特区の建設を議論したとみられ、同投資プロジェクトは、「両国最高指導部間の歴史的意義を持つ戦略的な協力」と位置づけられている。
商地公司は同経済特区の鉱物資源にも興味を持ち、境内の茂山・磁鉄鉱などの採掘契約をも結んだもよう。
商地公司の関係者は中央日報に対し、今後の鉱物輸出がスムーズに行われるために、火力発電所、鉄道、道路、港の建設に3億ドルを先行投資するという。同紙はこれについて、「北朝鮮は(中国からの)投資を誘致するために、鉱物採掘権を手放した」と分析した。
商地公司は中国の国有貿易企業であり、主に鉱物資源の投資と国際金融業務を手がけている。昨年、同社は平壌で事務所を設立、視察団を組んで羅先・経済特区を現地調査していた。
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