【大紀元日本12月30日】日本の財務省が27日に公表した11月分の貿易統計によると、同月分中国のレアアース対日輸出量は前月比50.5%減の663トンで、昨年同期比75.3%が減少した。
また中国商務省は28日、レアアースの来年最初の輸出枠を前年同期比11.4%減の1万4446トンに削減すると発表した。北京側は、これらの措置は世界貿易機関(WTO)の規則に則りレアアースの管理を強化する措置であり、今後の輸出枠はさらに流動的になると示唆した。
尖閣諸島問題の影響で、日本への中国からのレアアース輸出は激減しており、11月は4分の1まで減少していることから、日本のレアアース資源獲得が急務になっている。現在は既に豪ライナス社とレアアースの供給契約を締結しており、さらに中国への依存を軽減するために、ベトナムやインドにレアアースの加工工場を設立している。
また日本のハイテク産業の最近の動きとして、独立行政法人の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、ハイブリッドカーのモーターなどに欠かせないネオジム磁石の製造時に必要なレアアースの使用量を40%削減することに成功した、と27日に発表した。レアアース不足による窮地を脱するための一歩となっている。
一方、レアアース輸出枠の減少や価格急騰により、中国からの密輸が増えている。中国紙・毎日経済新聞は業界関係者の話として、日本へのレアアース密輸量は年間約2万トン、鉄合金などの名目で行われていると証言した。
また業界筋の話として、「密輸を図る中国の貿易会社と加工業者は、共に輸出のプロであるため、比較的容易にレアアースを入手できる。彼らの手口として、レアアースの取り扱いについてよく知らない輸出代理店を経由するため、なかなか足が付かない」と内部事情を明かした。
さらに、レアアースの加工にかかわる者は密輸について、「現在、密輸は輸出枠制限に触れない方法で行なわれている。つまりレアアース合金から分離・精製したものを輸出している」と、当局の規制枠をかいくぐる業者の手口を漏らした。