【大紀元日本11月9日】ミャンマーが内密に開発している核兵器は、今は脅威的ではないが、北朝鮮のような野心ある国が援助に乗り出したら、無視できない状況になるだろう、と国連原子力機関(IAEA)の前高官が危惧を示した。
10月末にバンコックで開かれたタイ海外記者クラブの専門的な概況説明で、米国で核を専門とし、かつてIAEA核兵器上級監査員を務めたロバート・ケリー氏は、ミャンマー軍が内密に開発している核兵器開発プログラムは十分ではなく、管理も行き届いていないとコメントした。
現在のところは、上から下に命令するだけの管理システムで、どのようにやるかの説明もなく作業も劣っており、あと数年は脅威となることはないとケリー氏は見解する。しかし、このプログラムを重視しない場合、真に脅威となる可能性があると警告している。
「知識、物資、管理の仕方など、現在ミャンマー軍が直面している問題を解決するカギを備えた国が関わった場合、プログラムは躍進する可能性がある。この場合、支援国として北朝鮮が浮上してくる」
ケリー氏は、『ビルマの民主主義の声(Democratic Voice of Burma)』という報告書を6月に発表している。亡命したサイ・テイン・ウィン(Sai Thein Win)少佐が提供した文書、設計図、写真などの情報・証拠を主に利用して作成された。
34歳のサイ少佐は、高官の補佐官として核兵器開発プログラムの概況を把握する立場にあった。同少佐は、ロシアで機械工学士として養成された経歴を持ち、ミャンマー連邦共和国の元首 タン・シュエ上級大将も同席する概況説明に列席している。
タン・シュエ大将はこれらの説明会で「核爆弾が欲しい。そのために原子炉を作りたい」と語っていたという。 サイ少佐はミサイルや核開発プログラムのための部品の原型を製作する特殊機器工場でも働いたことがあり、同少佐の話は信頼に値する、とケリー氏は見解している。
同少佐の提供した情報には、タベイキィン(Thabeikkyin)にある核のために設定された大隊の詳細も含まれている。核爆弾に必要なウラニウムを精製するために原子炉を建てる指図が出ているという。
ケリー氏によると、ミャンマーの核開発プログラムは、同軍事政権がIAEAとASEANと結んだ合意に違反する。「…法に抵触するものです。長年、この仕事に携わってきたので、早期にみつけて停止させたいのです」と、過去にIAEAの派遣で南アフリカとリビアを視察した同氏は、その思いを語る。
「今のところ、核のキノコ雲が、明日地球を覆うというものではない。しかし、すべての系統に脅威を与える可能性はある。この動きを無視することは、私たちの選択肢にはない。
今回、脅威になる前の段階で公表したのは、長年この分野に携わり、実に重要な情報を得ても誰にも語らなかったため、誰も何もしないという経験を味わってきたからだ。誰かが必要な措置に出られるよう、そして行動が不十分だと警告できるよう、ここに情報を開示することにした」