米中貿易摩擦:オバマ訪中を控え、ハイレベル協議

2009/11/05
更新: 2009/11/05

【大紀元日本11月5日】米国側の中国製タイヤに対する税率引き上げ、中国側の報復措置など、貿易摩擦の勢いは治まる様子がない。そんな中、今月のオバマ訪中を控え、10月29日、二国間のハイレベル協議が中国で行われた。

英紙「フィナンシャル・タイムズ」の報道によると、杭州市で行われたハイレベル協議では、中国側は、米国三大自動車メーカーの中国市場におけるダンピングと反補助金調査を行うことを確認した。また、豚インフルエンザ以来禁止されていた米国産豚肉の輸入許可、風力発電の部品を地元調達とする中国内の規制の撤廃を中国側は示した。また、合弁事業で両国に関わる企業が政府調達の契約を結ぶ際、地元の企業として扱われることにするという規則緩和が提示された。

これらの小さな規制が撤廃されても、米国側による中国産の繋ぎ目なしのステンレスパイプに関するダンピング調査や、中国側による欧米産ナイロン素材への反ダンピング関税の賦課などの緊迫した米中貿易摩擦が容易に治まるとは考えられない。

同協議での中国側の大きな収穫は、中国の「市場経済国」ステータス認定過程での問題点を分析する共同作業グループの設置に米国側が同意したことであろう。 これまでの両国間協議で、中国が何度も米国に要請してきた項目である。「計画経済国」の認定では反ダンピング問題で損をする。「市場経済国」への脱皮がはかれれば、アメリカは中国のダンピング行為を指摘しにくくなる。 中国は着々と貿易摩擦の舵を握りつつあるようだ。

(編集・楊J、鶴田)