中国広東省:高圧電線用鉄塔工事に抗議、警察と住民2千人衝突

2008/01/05
更新: 2008/01/05

【大紀元日本1月5日】広東省佛山市順徳区勒流鎮稔海村の村民が当地の田畑を覆う高圧電線工事をめぐる賠償の折り合いがつかず、鉄塔建設工事に反対している。先週水曜日に当局は警官千人以上を出動させ工事を強行したため、村民千人以上と衝突が起きた。工事は現在停滞しており、地元行政府側は阻止しようとした村民らを逮捕した。

ラジオ自由アジア(RFA)によると、広東省汕尾当局は、数千の警察隊を配備した東洲村で、軍警察が権利を守ろうとした村民を射殺することで鉄塔工事の工程を保護した。これだけに止まらず同じ広東省で、今回は順徳当局が稔海村内での工事を強行しようとしたため、これを阻止しようとした村民らと衝突したという。

稔海村村民の阿斉さんの説明では、「26日、2千人の公安、警察犬や自動小銃、暴動制止隊が派遣され、工事を強行した。これに村民2千人が反対したため、朝、警官が村にやって来て村民の一人に暴行を加え連行していった。これを知った村民が憤激し衝突が起きた。ある村民が負傷したが幸いなことに入院せずに済んだ」という。

村民の集団抗議活動の下、権利維持の代表は釈放され、鉄塔工事はしばらくの間中止となった。当地政府はテレビ放送で連日、工事の妨害は違法であり、村民が公務員に暴力をふるうこと、工事車両を壊す等の事は刑法に触れるため公安機関に自首するよう求めている。

阿斉さんは、「現在、また村民が刑事法に触れることをしていて、施工車両を壊し、警

察や作業員に暴力をふるっていると話している。警察は知らないが、確かに作業員は負傷している。今もテレビのあの放送で、関係した村民は自首するよう通告している」と語った。

またある村民は政府側の謀略ではないかと疑っている。なぜならば、何台かの施工車両は村民が解散した後に発火しているからだ。

別の村民は「あれらの施工車の運転手は自分達で8台の車を燃やしている。その中の1台は溝に落とされた。これら壊された車両は今も工事現場のあたりに放置されている。これは村民を陥れるためのでっちあげで、彼らの常とう手段だ」と話している。

記者はその日に勒流鎮派出所に電話して事件について尋ねたが、警察官の答えは曖昧なものだった。

調べによれば、当地の高圧送電線工事では村内18ヶ所に鉄塔を設置する予定で、電線が通り、影響を受ける土地面積は数百畝(ムー:1ムーは6.667アール)。村民は当局が村民の意見を聞かない状況下で村の委員会と一方的に土地収用について決めた。鉄塔占有地の賠償だけで、他の高圧電線の影響を受けた土地の賠償が全くされない地域の村民は昨年8月から訴えを起こしているが聞き入れられない上、当局が武力鎮圧の方法で工事を強行した。このことから、稔海の村民は当局がまもなく、再度行動を起こし、権利を維持しようと知る村民を捉え工事を再開するのではいかと見ている。

稔海村で起きた事と汕尾東洲村村民が遭遇した事は、同工異曲の事件である。汕尾当局は先月中旬、東洲村に次々と警察を送り込み、数回の捜査で抗議する村民とわたり合い、刑事事件の罪名で権利維持の代表数名を逮捕した後、十数日前に二回続けて大量の警察出動と催涙弾投入が行われ、ついに村民の反抗勢力を瓦解させた。

しかし、村民のリーダー格数人を逮捕したが、工事を阻止しようとした村民の行動は未だに続いている。

東洲村のある女性は、「ある村民を尾行するため、村内にはまだ多くの警察官がいる。あの宣伝車両も毎日走っている」と話している。

2007年9月中旬、広東省政府は全省電気エネルギー送電設備建設工程作業促進会議を招集し、土地収用と移転などの問題処理が穏当でないため、電力送電に影響していることを指摘した。省指導者は重要指示として、電気エネルギー送電設備と送電網建設工事の促進を求めた。

(翻訳・坂本、編集・月川)