李登輝・前台湾総統、第一回「後藤新平賞」受賞

2007/05/15
更新: 2007/05/15

【大紀元日本5月15日】藤原出版社社長の藤原良雄氏と著名評論家の粕谷一希氏らが発起人として創立した「後藤新平の会」が、故後藤氏の生誕150周年を偲ぶ記念事業の一環として、「後藤新平賞」を創設、栄えある第1回受賞者にはこのほど、李登輝・前台湾総統(84)が選ばれた。6月1日の東京での授賞式には、李氏自らが演台に立って演説を行う予定だ。中央社が伝えた。

「後藤新平の会」によると、同賞は日本の国内外を問わず、現代において後藤新平氏のように文明のあり方そのものを思索し、それを新しく方向付けた功労者に毎年一人選考し顕彰するのが目的。

今回の選考理由として、台北市長、総統などを歴任した李・前台湾総統は、後藤氏の事業と精神を継承して、台湾近代化の発展に優れた貢献をしたと高い評価を得た。授賞式は2007年6月1日午前10時より、東京六本木・国際文化会館の岩崎子弥太記念ホールで行われる予定だ。

故・後藤新平氏は1898年~1906年の8年間、台湾総統府民政局長を務め、台湾の医療、衛生、下水道などの近代化建設に優れた業績を残した。今年は生誕150周年を迎えることから、「後藤新平の会」は、記念事業の一環として「後藤新平賞」を創設、また7月と11月にはシンポジウムを予定している。

※後藤新平(1857-1929)

明治から昭和に至る近代日本の激動期に、百年先の未来と世界全体という遠大な時空間を視野に収めながら、内政から外交まで幅広い業績を残した。2007年は、その生誕150周年にあたる。後藤新平氏のもっとも大きな業績の1つは、民政長官として赴任した台湾の近代化であり、同氏が行ったインフラ整備は、現在も台湾に脈々と生きている。また、ボーイスカウトや東京放送局(現NHK)の初代総裁を務め、「政治の倫理化」を訴えるなど多岐にわたった活動を根底で支えていたもの、すなわち、近代日本において見失われつつあった「自治」と「公共」の精神が結晶化している。(「後藤新平の会」より抜粋)