国内メディアによると、中国当局はこのほど「学生軍事訓練規定」を発表、これからは一般の国内大学生および高校段階の生徒も中央が定めた一定の予備役軍事訓練を受けなければならなくなった。さらに軍事訓練の過程は、学業の一環として学生ファイルに記録するという。今後、中共の軍当局は、5年ごとに学生による大規模な予備役軍事訓練をするという。
新しい規定は、中国教育部および中国人民解放軍総参謀部と政治部の共同発表で、規定では「軍事訓練は中国内陸戸籍を有し大学生と高校段階にいる学生」を指す。高校段階の生徒とは、普通の高校、同等の専門学校、技術系専門学校、職業専門校などの学生が対象。香港、マカオ、台湾戸籍の学生は、本人の志願により、学校側の批准を経て訓練に参加できる。
規定によると、軍事訓練の目的は「学生が基本軍事技能および軍事理論を把握し、国防観念および国家安全意識を高揚させ…より組織性と紀律性を強化し…学生の総合素質を向上させる」ためであるという。5年ごとの大型軍事訓練活動にかかる経費は、教育部、総参謀部および総政治部と中央財政から、専用の特別補正予算として捻出、3~5年ごとに各省における大型学生軍事訓練活動の経費は、省級教育部門および軍事部門が省財政部門に申請して、特別補正予算の経費で賄うという。
規定によると、学生が出頭する軍事基地、民兵・予備役軍事訓練基地は、営利目的で学生の軍事訓練任務を引き受けることはできず、学生から軍事訓練費用の徴収もしてはならない。
中共軍中央当局がこのような決断に踏み切った背景には、解放軍がここ数年、現役軍を大幅に削減してきた事情があるが、一方で、国内で民間暴動が頻発しているため、「国内の粛清・鎮圧」体制を拡充するものとみられる。西側諸国では、大学生が予備役訓練に参加する場合には、志願制で日当などの訓練手当てがつき、進学奨学金などの恩典もついたりするが、これを学業の一環としているところが中共らしいやり方と言える。また、訓練を学業の一環とすると、地方の軍幹部にとっては一種の「ドル箱」になり腐敗の温床になる可能性も否定できない。
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