【大紀元日本8月1日】アムネスティ英国支部はこのほど、「中国における表現の自由の侵害」(Undermining Freedom of Expression in China)との題する最新報告書を公表した。今年5月に、団体は英国内で、ヤフーやマイクロソフト、グーグルが中共政権のネット封鎖に協力し、民主や人権活動家などへの弾圧に加担したとして、これらの国際インターネット接続大手3社に反対する抗議運動を展開した。現在はこの運動は世界中に広がりつつある。
アムネスティ英国支部スポークスマンのスティーブ・バリンジャー(Steve Ballinger)氏は、大紀元の取材で、「我々は三社に対し抗議を行っているのは、彼らは中共政権のネット利用者への弾圧に協力しているからだ」と述べ、「グーグル社の中国での検索エンジンには情報を検閲するフィルターが組み込まれ、中共政権が禁止する敏感な情報がすべて検索不能になっている。ヤフーは、「中国商報」の記者・師涛氏と、北京の反体制言論者のネット作家・王小寧氏(55歳男性)などの利用情報を中共政権に提供し、それが決定的な証拠となり、両氏にはそれぞれ10年間の懲役刑が科せられた。マイクロソフトはニューヨーク・タイムズ紙の研究員のブログを閉鎖し、MSN Spacesで特定用語の使用を制限するなどとしている。これらの企業は中国において、インターネットサイト上で利用者の自由を制限することで暴利を得ている」と説明した。
また、バリンジャー氏は師涛氏の事例を取り上げ、「アムネスティ・インタナショナルは、ヤフーが中共政権の要求を拒否し、協力を拒むべきと認識している、…これは非常に典型的な事案である。確かに中国は巨大な市場であり、人々は皆この市場シェアを拡大しようと躍起になっている。しかし、これらの企業のやり方は、人権活動家や、ネット利用者がインターネットで自由に情報を取得する権限を奪った」と述べた。
英国での抗議活動が多大な反響を起したため、アムネスティ・インタナショナルは、この活動を全世界範囲に拡大することを決定し、対象の企業は依然上記の三社であるが、対象国は中国から、イスラエル、ベトナム、シリア、イラン、モルジブに拡大した。これらの国ではこの3社は皆執政政権のネット弾圧に協力しているという。
バリンジャー氏は「我々の調査で、ネットを利用して政権異議者を弾圧する行為は、多くの国で存在することが確認された。国民の表現自由の権利を侵犯する国家が益々増え続けていることを憂慮している」と明かした。
アムネスティ英国支部は今年5月に今回の抗議活動を支持する署名ホームページ(http://irrepressible.info)を開設した。毎日約5百人の支持署名が集められ、現時点ですでに3万人の支持を得た。同団体は、この抗議活動が全世界に拡大することで、更なる反響を呼ぶと期待している。
バリンジャー氏は、「我々はこの3社の利用者に対し、ぜひ声を上げ、会社側に彼らのやり方には非常に不満を覚え、是正してほしいとの意向を伝えるよう期待している。これらの企業は中国のネット利用者の声を傾けず、アムネスティの主張も聞かない。しかし彼らは顧客の声を聞かざるを得ない。なぜならば彼らは顧客からお金を得ているからだ」と述べた。
英国に脱出した中国人詩人・楊煉氏は今年2月に、胡錦涛・総書記とブレア首相に公開嘆願状を提出、中国国内での人権迫害を止めさせるよう懇願した。公開状がインターネットで公表された3日後に中国国内で封鎖された。同氏はアムネスティ・インタナショナルが発起した全世界での抗議行動を歓迎と支持する意向を表明、①師涛氏の案件は、中共政権は一貫して人権と民主を弾圧する実例②中共政権が称している法律は、彼らの独裁を維持するための法律であり、言わば犯罪を守る法律である③ヤフーが中共政権による犯罪を幇助する法律に服従と支持したことで、自ら犯罪者の仲間入りしたと評論した。
アムネスティ英国支部は7月20日、「中国における表現の自由の侵害」(Undermining Freedom of Expression in China)と題する最新報告書を公表した。報告書では、中国国内の弁護士や記者、人権活動家などが受けた迫害の概況を紹介し、上記の3社の行動を詳細に分析、彼らが中共政権に服従したことは、これらの企業が遵守する「顧客が第一」の企業理念に反すると指摘、中国で運営するインターネット接続企業に対し、8項目の然るべき企業行為を提言し、その中にフィルターで検閲対象となっている敏感用語の公開などが含まれている。
バリンジャー氏は、3社はこの報告書を受け取ったと説明、アムネスティ・インタナショナルはこれらの企業と様々な対話を進めていると明かした。また、同団体の報告書と全世界での抗議活動について、3社は所在国の法律を遵守しなくてはならないと弁明しているが、バリンジャー氏は「所在国の法律は唯一の法律ではない、国際社会には普遍的に承認された人権法もあり、国連の商業と人権法もあり、企業はこれらの法律をも遵守する義務がある」と反論した。
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