【大紀元日本7月24日】北朝鮮が少し前に7発のミサイルを発射したことで、国際社会の支援および救済金を取得できなかっただけではなく、国連安保理より対北朝鮮決議案をもたらす破目となった。これに対して、北朝鮮は安保理の決議に拘束されないと拒否し、ミサイルの発射実験を継続すると揚言した。
韓国へ亡命した前北朝鮮上層幹部は、北朝鮮の反応からみると、当局の首脳部門は「脳死状態」に陥った可能性があることを示唆し、冷静に戦略的判断を出す高官らはすでに勢力が弱まったと分析した。
「オアシス」はもう存在しない
「朝鮮日報」の報道によると、対韓国工作員・前北朝鮮高官は、「北朝鮮政権の生存には、中国および韓国の経済援助がまさに『砂漠の中のオアシス』と言える」という。北朝鮮政権は、中国および韓国がミサイル発射の阻止に対して、強硬な態度を示さないとの思いと裏腹に、中国およびロシアまで制裁に同意した。それゆえ、韓国も後についてゆくしかないという。
一方、日本政府は北朝鮮に対して6ヶ月間、北朝鮮の客船「万景峰号」の入港を拒否した上、7月18日に「為替法」修正案に従い、北朝鮮への借款を中止する金融制裁をも考えているとみられる。
四面楚歌
米国は北朝鮮が1998年にミサイル「テポドン1号」を発射したのち、北朝鮮に対して、今後のミサイル発射の凍結を条件に、2000年より米国対北朝鮮の借款および米企業対北朝鮮の投資を約束するとの双方協議に達した。しかし、これまでの経験と違って、北朝鮮は今回、発射した7発のミサイルが「四面楚歌」という結果をもたらすとは思ってもいなかったのであろう。
北朝鮮外交官・洪順慶氏は、北朝鮮は過去においてミサイル発射によって大きいメリットを取得したが、今回はまったく違った結末に導いたとし、北朝鮮の戦略家らは国際社会が変わったことに気付いておらず、特に中国およびロシアは北朝鮮を裏切らないことに対して誤った認識をしていると分析した。
北朝鮮の一途の行動に対して、米国は現在「6-1」会談を推し進めており、すなわち、北朝鮮が6カ国協議の参加を拒否し続ければ、北朝鮮を排除してもよいという。韓国「聯合通信社」によると、国連の外交関係者は、北朝鮮が相変わらずミサイルを発射し独走すれば、安保理は「国連憲法」第七章に従って、北朝鮮に対して武力行使による制裁を検討する意向があることを示唆したという。
北朝鮮幹部らの生存方法
前金日成大学・趙明哲教授は、北朝鮮の高官らが生存を望むならば、金正日氏の前で「最後の一滴の血が流れ切るまでに、闘争し続ける」を叫ばなければならないと指摘した。趙教授は、強硬派のなかには、強硬な立場を示しながら戦略的な考えをもち、談判を主張する人達もいるとの意見を示した。しかし、この人達の勢力は弱まっているという。同教授は、金正日氏が神経質と言えるほど下した結論は、幹部らが異議なく受け入れることになるであろうとし、反対に戦略的な判断のできる人達が「脳死状態」に陥るのであろうとの見解を示した。