英機密文書:冷戦時代、中共の香港侵攻に対する核報復を検討

2006/07/03
更新: 2006/07/03

【大紀元日本7月3日】英国政府は6月30日、かつて英国の植民地だった香港を防衛するため、1961年当時、中共が侵攻した場合に報復する核兵器使用の可能性について、深く討論した内容の機密書類を公表した。

中央社によると、これらの内容は、当時英国首相だったマイビロン氏宛の数通の書簡の中で提言された。中共が香港に侵攻した場合、香港を放棄する以外、核兵器で報復することが記されている。また、英国の高官らは、北京当局のどのような形の侵攻も、米国による核攻撃がありうるとどのように北京に了解させるかについても討論したという。

これらの詳細内容は、、マイビロン元首相オフィスの1957年から1961年までのファイルから発見されたもので、同証拠書類はすでに英国立公文書記録管理局の手により公開されたという。

英国政府は当時、香港の防衛力強化について討論を重ね、共産中国の意向を読み切れていなかった。英国当局は、香港の生活用水や食料などをいつでも切断可能な中共中国に依存していたため、香港の防衛は困難であると考えていた。

1961年2月22日、当時英外相のホーム氏は、「最高機密」書簡をファキンソン当時国防長官および首相に宛て、「香港を通常戦力では防衛しきれないことは、米国人もよく認識している。万が一、中共軍が侵攻した場合、我々は同植民地を放棄する以外、核兵器による報復が唯一の選択肢となる。この件について、我々は、非公式にでも米側と核兵器の使用について意見交換を行うべき・・・・勿論、言うまでもなく、香港を攻撃すれば核兵器による報復を招くと中共当局に認識させる貴方の意見に完く同感であるが、中共当局に香港が米国の軍事基地であると宣揚させるような事態は回避しなければならない」と記した。

英米両国は、1961年の同件について、ハワイで秘密会議を開き、以後香港訪問の米軍艦内で、さらに討論を重ねる必要があると共同認識した。

ファキンソン国防長官から、ホーム外相およびマイビロン首相に宛てた書簡では、モンバトン英軍参謀総長と米国太平洋司令部・フェアト提督との会談を提案し、「我々の目標は、中共がもし香港を攻撃すれば、米国の核兵器による報復を招くことを(中共に)認識させること」と述べた。モンバトン参謀総長が、フェアト米提督から、中共に対する核兵器による報復任務に、英国王室空軍も参与するか質疑される想定にも言及し、「この質問には、モンバトン参謀総長はこう答えるべき・・・・何が起こるか分からないが、フェアト米提督と英国軍部代表とが(会談し)、極東地区で英軍の核戦力と米軍の核戦力とを協調させようとする話には、反対する人は誰もいない」と提言した。

香港は1842年より英国の植民地になり、1997年に中国へ返還された。