【大紀元日本5月23日】メルケル独首相は22日、胡錦濤国家主席および温家宝首相と相次いで会談を行った。メルケル独首相の就任後初めての中国訪問だが、従来とは違い、経済に関する明るい前向きな雰囲気は少なく、期待されたリニアモーター技術・経済の協力関係について、覚書は交わされたが、具体的な取り決めはなかった。同首相は、中共両首脳との会談で、知識財産権保護問題、イラン核兵器問題、人権問題などに触れ、特に公の場で中国の人権問題について言及していくことを強調した。また、胡錦濤国家主席に、国連人権委員会の一員として、中国は国際的基準にて外交政策を構築すべきであるとの見解を示した。
ドイツラジオ放送ドイチェ・ベレによると、今回のメルケル独首相による中国訪問は、従来の経済主導的なパターンとは違い、中国の政治問題と外交問題にも触れるなど、非純経済型の対中政策を試みているという。同首相は、温家宝・首相との会談で、「人権問題は今後の両国の協力において、切り離すことのできない重要な要素である」と語り、会談後の記者会見でさらに、今後も公に中国の人権問題に言及すると強調した。同首相はすでに中国農民問題を熟知している作家や人権活動家たちと談話を行ったという。また、上海の宗教関係者とも面会の予定。ドイツ政府代表団メンバーによると、メルケル独首相は温首相と人権のほかに、宗教の自由の問題、チベット問題およびインターネットの統制問題について意見を交換したという。
温首相との会談で、メルケル独首相はイラン核問題にも言及し、「イランは核兵器を持つべきではない。テヘラン政府は核拡散防止条約(NPT)および国際原子力機関(IAEA)の規定を遵守すべきだ。今後は、同議題についての協力がより緊密になる」と強調した。最近のメディア報道によると、中国はイランに対して核兵器製造用のウランUF6の原料を提供しているという。
また、メルケル独首相は、胡錦濤・国家主席に対して、中国がスーダン、ジンバブエなどの独裁国家と積極的に協力していることに懸念を示し、中国は国際基準に沿った外交政策を構築すべきであると強調した。
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