【大紀元日本2月3日】北朝鮮労働党総書記・金正日氏の義弟で、かつて「北朝鮮のナンバー2」とみられている張成沢氏が中央政界に復帰を果たした。張氏の政界復帰は金正日総書記が北朝鮮の権力基盤を再編する試みであるとみられている。
聯合早報によると、張氏はかつて、北朝鮮労働党指導部・第一副部長で、司法、検察、公安部門などを掌握していたが、2004年に突如降格、労働党幹部養成学校長に異動配転された。当時の風評では、「別派活動、権力乱用」「健康問題」などの憶測が流れたが、1月28日、北朝鮮最高権力部門・国防委員会の新年晩餐会に現れた。金総書記の訪中直後であったため、衆目の的になった。
韓国東国大学の高裕煥教授は、「張氏はかつて改革開放政策の前線に置かれたことがあり、2002年に金総書記の指令を受け、韓国・諸外国の経済発展について調査を行った」「今回も、同様な職務を担う可能性が高い」と示唆した。また、韓国政府の情報筋によると、「張氏が一度降格されたのは、資本主義体系の学習をさせる意味、今後は経済を開放、市場システムを維持する職務に就くはず」との認識を示した。
張氏は復帰後、「労働団体、首都建設部・第一副部長」に着任するとみられる。韓国西江大学の金永洙教授は、「首都建設部・第一副部長に就任後、平壌の総合再建・開発により、改革開放政策の実績成果を出すことが期待されている」との認識を示した。
張氏は金総書記の妹・金京姫の夫で、金総書記の数少ない親戚の一人、張氏の兄2人は、共に北朝鮮人民軍の高級幹部。張氏の復帰は、金総書記の後継者で次男の金正哲氏が継承する際に、張氏夫婦が仲介役を担うことであるとみられる。韓国世宗研究所・韓国北朝鮮関係研究部の白鶴淳部長は、「張氏の復帰は、金正哲氏の政権継承に対して脅威でなくなった証拠」と述べた。
情報筋によると、90年代後半に金総書記は父親・金日成の側近を権力舞台から追い出すために、張氏に権力再編を託した。専門家の分析によると、金総書記は今回も権力再編に張氏を起用、息子が政権継承後の権力構造を新たに築こうとしているという。
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