台湾国防部、衛星写真を公開、中共の軍事脅威に警鐘

2006/01/21
更新: 2006/01/21

【大紀元日本1月21日】台湾国防部は1月19日中共の軍事基地を撮影した衛星写真を公開し、中共政権による台湾への軍事脅威を詳しく説明し、立法院に対し、米国からの武器購入を定める法案・「軍購案」を早急に通過するよう催促した。米国VOAが伝えた。

実戦を想定した台湾軍事施設の模擬版と軍事演習

台湾国防部は1月19日の記者会見で去年撮影した衛星写真20枚を公開し、これらの写真は中国南部の広東省と浙江省や、北西部の新疆、甘粛省と玉門関地区などの上空から撮影したという。国防部のスポークスマンは、「一部の地区の地理情勢は非常に台湾の金門島と東引島に酷似し、さらに玉門関と若羌などの地区では、軍事演習用に台湾の空軍基地や、発電所とレーダーの陣地などを模擬した施設が設けられた。大穫島での軍事演習では台湾と同型の戦闘機は攻撃対象だった。そのほか安徽省での軍事演習は、地面に台湾地区名が標示されていた」と詳しく説明し、写真に写された滑走路にできた直径3.5メートルから20メートルの坑道は攻撃の跡だと指摘、中国側の武器は台湾の空港などを破壊する実戦能力を持っていると見解を示した。そのほかにも新造の核ミサイル潜水艦にミサイルを積載する現場や、台湾に近い海南島には複数のロメオ級とキロ級の通常動力潜水艦が駐屯している情報が読み取られ、国防部は台湾の港運輸が強い脅威に曝されていると分析した。

台湾国防部などは「軍購案」の早期通過を促し

米国からの武器購入を定める「軍購案」は台湾立法院で過去2年間40回以上に否決されたため、台湾国防部の部長・李傑氏は政界に対し、情勢の緊迫性を十分に認識するよう呼びかけ、早急に法案を成立させるよう要請した。

一方、「米台商会」の総裁・韓儒伯氏は「台湾の各党派の政治家は政治上の理由で「軍購案」に異なる立場を示してきたが、中共政権による軍事脅威については共同な認識を持っているはず。国民は中共の増強し続ける軍事力による台湾への脅威をもっと憂慮すべき」と述べ、民衆に対し中国にはビジネスチャンスがあると同時に、深刻な軍事脅威も潜んでいると警鐘を鳴らし、「軍購案」への国民の理解と支持を呼びかけた。