【大紀元日本11月5日】世界銀行は3日、鳥インフルエンザ大流行による莫大な経済損失がもたされる可能性を警告した。アジア開発銀行(ADB)も同じ見解を示し、アジア地域だけで約2830億ドルを失い、特に香港とシンガポールが大打撃を受けると示唆した。
現在、感染はすでにアジアから、ロシアや、欧州、北米までに蔓延している。クロアチアでも白鳥の感染死が2日確認され、同様に致死性のH5N1ウィルスが検出された。カナダでもこのほど、感染が確認されたという。専門家によれば、H5N1ウィルスは気温20度以下で一番繁殖しやすいので、今秋から来春までが感染のピークを迎えるという。
香港の鳥インフルエンザ研究団体は、昨年の英科学誌「ネイチャー」で致死性のH5N1ウィルスが2001年から中国各地で周期的に感染が確認されていたことを明らかにしていた。
インドネシア政府の発表によると、3歳と5歳の児童から鳥インフルエンザ感染症状が3日、見られ、入院治療しているが、検査結果は3日後に判明するという。同国では7月からすでに4人が感染死した。ベトナムでも25歳の若い女性が感染した疑いが濃厚だという。
2003年末からアジアでH5N1ウィルスの感染により、60人以上が死亡したことが確認された。専門家らが、一番心配しているのは人から人への感染であり、一旦現実になると数百万人の死者を出す可能性は十分に考えられるという。
国際金融機関の分析
鳥インフルエンザの世界大流行がもたらす経済損失を想定した場合、世界銀行は最新報告書に、旅行と交通などの産業はもっとも深刻な経済的影響を受けるとの見解を示した、同じくアジア開発銀行は、1997年の金融危機以来の難関であると断言し、アジア地区の総生産は6・5%が失われ、約2830億ドルの損失を負うと予測している。
アメリカなどの対策
米大統領は議会に鳥インフルエンザ予防対策費用として71億ドルの緊急予算を要請した。米衛生部は「インフルエンザ大流行計画」を発表し、人から人への感染が確認された場合には、民間の大規模な集会を禁止し、隔離検疫する方針を明らかにし、各州政府に独自の対策法案を制定し対応するよう呼びかけた。最悪の場合では、全国で1億人が感染し、190万人が死亡すると予想した。
保健専門家は、これらの措置はまだ不十分であると指摘し、世界各国の対応が非常に遅れていることを警告している。
国際保健機構(WHO)の伝染病部門責任者・ハイマン氏は「現存の伝染病監察体制は、まだ完全なシステムではない。最悪の事態に備えるワクチン生産力も不足している」ことを明らかにした。
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