【大紀元日本ネット4月27日】情報封鎖されている中国大陸へ世界で唯一中国語の衛星放送を発信している「新唐人テレビ」(New Tang Dynasty Television、本部・ニューヨーク)を支援しようと、「衛星・自由中国プロジェクト」( Freedom Satellite for China Project)が23日、ニューヨークで開かれた「百万人中国共産党脱党グローバル応援自由民主デモ」に集った有志によって発足され、わずか30分で5万ドルの寄付金を集めた。「新唐人」が通信衛星の使用契約を結んでいたフランスの衛星通信会社ユーテルサットが昨年12月、中国政府の経済的・政治的圧力を受けて、アジア向け放送の契約更新を拒否したことで、同プロジェクトの支援者らは「自前の衛星を購入し、新唐人の自由な放送が保証されるように」と立ち上がった。
「衛星・自由中国プロジェクト」は、二十三日にニューヨークのマンハッタンで開かれた“百万人中国共産党脱党グローバル応援自由民主デモ”の集会場におき、「中国アフェア」並びに「中国之春」編集長である伍凡、汎米銀行(Pan-American Bank)CEO, 著名政治経済評論家草庵居士、台湾大学政治学部前学部長明居正などにより、その発足や詳細な運営方式が始めて公表された。寄付計画が公表された直後、集会参加者らが5千ドルの現金を寄付した。同プロジェクト公表後30分で、5万ドルの寄付金を集めた。すべての寄付金は、「衛星・自由中国プロジェクト」専用口座に入り、新唐人の中国大陸向けの放送のみに使用されるという。
独立系・非営利の放送局「新唐人」の誕生は、2002年2月のニューヨークにさかのぼる。前年の秋、ニューヨークのテロ事件「9・11」の発生を知り大喜びする中国大陸の中国人の姿を見て、中国内における言論統制を打破る必要があることを、社長のZ.Lee氏は痛感したという。中国系アメリカ人有志により設立された同局は現在、世界主要国15カ国にオフィスを構えるまでに成長し、世界中の華人や、同局が1000万以上と推定する中国で衛星放送受信アンテナを持つ家庭を対象に、報道番組の他、ドラマやスポーツ、料理番組など、幅広いジャンルの放送を行っている。報道に関しては、2003年の中国大陸におけるSARSの拡大、2004年の台湾の総統選やアメリカ大統領選、2005年は趙紫陽・元中国共産党総書記死去の報道を行った。また2004年には1989年の天安門事件をレビュー、2005年中国新年には、欧州の有力政治リーダーらの新年の祝辞を直接中国市民に伝えるなど、報道機関としての責務を堅実に果たしている。新唐人は今年1月、「大紀元時報」(本部・ニューヨーク)が同月発表した『九評共産党』(中国共産党についての9つの論評)を番組で取り上げ、反共産党キャンペーンを開始した。
中国政府の厳重な管理・統制下にある中国のマスメディアは、政府が意図的な情報操作を通して国民を統制するために利用されているので、単なる“宣伝道具”であると言える。中国政府の管理下に入らず、世の中の現実を中国内に報道し続ける新唐人は、中国政府にとっては天敵である。「国境なき記者団」によると、新唐人が放送を開始した2002年2月以降、 NSS社(オランダ)、マブハイ社(フィリピン)、パンアムサット社(アメリカ)、タイペイ・インターンショナル・カンパニー社(台湾)などの衛星通信会社が、新唐人の中国語放送に関与しないよう、中国政府から経済的、もしくは政治的圧力を受けている。実際、2003年7月から2004年5月の間、「新唐人」のアジアにおける放送は中断を余儀なくされた。
2004年5月1点xun_ネ来、新唐人はユーテルサットの衛星を使い、アジア向けの放送を行ってきた。新唐人経営陣のY.ジャオ博士によると、ユーテルサットのベレタ会長は契約がまとまった際に、「中国政府やその他公権力の圧力・経済的な動機があったとしても、新唐人の中国語放送をやめることはない」と確約したという。ところが、ユーテルサットは2004年12月6日に中国政府系衛星通信会社「中国衛星通信集団公司」との事業提携を発表、間髪をおかず2004年12月20日、仲介会社LSE社とともに新唐人に対し、2005年3月21日のユ社の放送衛星使用の契約打ち切りを通告してきた。国境なき記者団によると、中国政府はユーテルサットに対し、中継を止めるように文書で要求したという。あるメディア団体によると、中国政府は、新唐人の放送を該社が続けることは、オリンピックの放送をめぐるビジネスチャンスが危うくなることだと警告をしたという。
新唐人及び支援者らはロビー運動を展開、放送打ち切りを憂慮する欧州議会議員、有力政治家ら65人が、ベレタ会長あてに、嘆願書を出した。今月12日には、米議会の議員93人がブッシュ大統領あてに要望書を出し、「グローバル・レベルで透明性、公開性、自由を推進する役割を担う米国にとり、中国における新唐人の放送打ち切りは、許すわけにはゆかない」と新唐人への支援を求めた。事件が法廷に争いの場を移すなか、4月15日まで延長された放送打ち切り日までに、6万の支持署名も集まった。その結果、ユーテルサットは、アジアにおける放送継続を話し合うために、新唐人と交渉のテーブルにつくことを決めた。交渉期間中は、放送も継続されるという暫定措置が取られ、打ち切りを予定していた15点xun_ネ降も放送は続けてられている。
しかし新唐人の支援者らは、「自前の衛星を購入し、新唐人の自由な放送が保証されるように」と、ユーテルサット社との交渉を通じての新唐人の延命を待たずに、衛星・自由中国計画を立て、寄付委員会を設立し、より積極的な一歩を踏み出した。
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